どうか

溺れてしまいそうなら

逃げることを考えてほしい

もう駄目だと思ったら

肩の荷を下ろしてほしい

毎日辛いことばかりだったら

やりたかったことを思い出してほしい

息ができそうにもないと感じたら

深呼吸をして肩の力を抜いてほしい

眠いのなら

何よりも先に眠ってほしい

 

そして本当に元気になるまで

闇雲に動かず

充電完了を待ってほしい

 

こだわりがあなたを苦しめる

生きていることは

柔らかく

温かく

動いていくこと

 

どうか自分の力を信じてください

 

 

十年前

もう若くないとわかっていたが

通りすぎてわかる

十年前は十分若かった

時々思い出す

一昔前のことを

あるものは成長し成熟し

あるものは衰え消滅する

急流に押し流されず

なんとか踏みとどまる

十年経てば環境は変わる

世の中も変わる

古い友達との距離はへだたり

新しい友人は増えてはいない

あーあ、時は過ぎていく

二度と戻れない日々を

置き去りにして

破綻

投げやりな細部を積み重ね
あやふやな土台の上に立っている
少しづつでもプラスなら
浮かび上がるが
実は空気が漏れている方が多い
泥船のように沈み込む
綻びは見えているのに
パニックを避けて
騒がない
驚かない
気がつかないふりをする
世間がみなそうだったら
どうってことはないと
気づいている愚かさ
気づかない愚かさ
何もしないんだったら同じこと
間違った努力は
方向違いなんだから
しないほうがまし
進む方向が見えないことほど
危険なことはない
考えよう

長い冬

今はまだ地に潜む。
暗闇の中で
次の季節を待っている。
ただ待つのでなく
胎動を感じている。
やがて時が来て
地表を突き破り
光を求めて
手を伸ばすだろう。


今はまだ地に潜む。
それはあきらめなんかじゃなく
時が来るのを待っているだけなんだ。
長い冬はただ眠っているのではない。
確実に来る春を我が手につかむため
多くの祈りを捧げている。
いくつもの願いを我が身に秘めて。

詩とは何か

照れ臭くてとても言えないことを
自分から少し離れた場所にいる
もう一人の自分が語っている。

自分であり自分でない不思議な存在。
すでに言葉はそこにあり
それを引き出すだけ。

遠い過去も
いつか訪れるだろう未来も
時空を超えてひとつになっている。

言葉は削られ
どうしても語りたいことだけ
語りたい。

そして今日も詩を書く。

一年の終わりに

カレンダーをめくり続け
もう次の月の分の紙はない。
あまりのあっけ無さに
めまいがするほど。

カレンダーを何回、何十回とめくり
そして取り替えたら人生は終わり。
終わるからこそ
先が見えるからこそ
やっていられることもある。

なんだかんだで一年が終わる。
やりきったこと、
まだやれなかったこと、
人生は続く。
あきらめない。

大事なものは

写真に撮れば

その行為により消えてしまいそうなもの。

言葉にしてしまえば

そのことにより取り逃がしてしまいそうなもの。

 

本当に大事なものは

胸の内で

温め続けて

ずっと思っている。

 

写真に撮る。

詩を書く。

 

その本質にはずっと届かない。

届かないからこそ

その行為をし続けるのだろう。

 

踏み込まない表現に

価値はあるのか。

 

淡々とした日常を送りながら

ため息をつく。