2017-02-26 砂時計 詩 箱で買ったじゃがいも 2月も末となり芽がたくさん出る 箱で買った伊予柑 乾燥し果実は瑞々しさを失った 長い冬を経るうちに これが無くなるころ冬が終わる 砂時計なようなもの もはや残りも少なくなった
2017-02-22 nobody 詩 何者かになりたかった どこまで行っても 自分から抜け出せることはなく アクセルを踏む勇気を持たず 後ずさりをする 平凡に生きることすら 難しい これでいいのか 人生というステージに立てたのか 立てなかったのか 闘いは始まったのか 始めないまま終わったのか 途方に暮れて日が暮れる
2017-02-21 輝き 詩 一人の若い女性が 彗星のように輝き 暗闇へと消えていった 彼女の輝きは 人々の記憶に残る 遺された者たちは 短い彼女の生涯に涙する 別れはいつだってあるし 予期せぬ出来事もいつだってある ああそれにしても 亡くしてわかる 生の輝き もう一度会いたい 叶わぬ夢 ああ 本当にあなたは輝いていた
2017-02-21 望み 詩 日々の仕事 生活に追われ 頭の中が空っぽになることを恐れる。 やりたいこと買いたいこと 何かないかと思い浮かべる。 本当にやりたいことはわかっている それが簡単にできないことも。 言い訳ばかりで時間切れ 本当にそれを望んでいたのだろうか。
2017-02-19 めまい 詩 通り過ぎるまち 通り過ぎるヒト 通り過ぎる季節 置き去りにするのか されるのか 空っぽな心に 隙間風が吹く様だ 手応えなく 記憶を探ってみたけれど なんてあやふやな 輪郭を掴むことはできず どうやって 大地に立てばいいんだと めまいがするばかり
2017-02-05 通り過ぎる風景 詩 いつまでたっても ただ通り過ぎる風景 そんなものにしかならなかった なつかしい風景 ただ思い出の中にある 目指す場所はそこでもない いつか辿りつけるのだろうか 目指す場所というものへ
2017-02-05 呪い 詩 収穫するキャベツの重み 振るう鍬の重み 積み重なった書籍の重み 手放す 手放すことにより 身体は軽やかさを取り戻す 重い荷物は心身に負荷をかけ その重みにより 生を実感させるが もはや地に縛り付けられることから 逃れたい 離れることにより 飛び立つことを願うが また別の重力の呪いを 掛けられるのだろう
2017-02-04 すっぱいブドウ 詩 逃げてきたことはないかと考える。 肩の力が抜けて こだわりもなくなってきたけど まだ「 すっぱいブドウ」がありそうだ。 なにもかもできるわけではないが ( 時間もなく、金もなく) 何が「 すっぱいブドウ」 だったかは はっきりさせたい。 だって悔しいじゃないか 滑稽じゃないか 他人からははっきりわかる 本人だけは気づいていない。
2017-02-03 日々 詩 燃え尽きるまで力を使い果たす。 それができる環境で幸せな反面、 何をやっているんだろうと茫然自失。 アクセルを踏み込むには 勇気がいる。 無謀ではないかと 自問自答もする日々。