nobody

何者かになりたかった

どこまで行っても

自分から抜け出せることはなく

アクセルを踏む勇気を持たず

後ずさりをする

平凡に生きることすら

難しい

これでいいのか

人生というステージに立てたのか

立てなかったのか

闘いは始まったのか

始めないまま終わったのか

途方に暮れて日が暮れる

 

輝き

一人の若い女性が

彗星のように輝き

暗闇へと消えていった

 

彼女の輝きは

人々の記憶に残る

 

遺された者たちは

短い彼女の生涯に涙する

 

別れはいつだってあるし

予期せぬ出来事もいつだってある

 

ああそれにしても

亡くしてわかる

生の輝き

もう一度会いたい

叶わぬ夢

 

ああ

本当にあなたは輝いていた

 

 

 

 

望み

日々の仕事 生活に追われ

頭の中が空っぽになることを恐れる。

やりたいこと買いたいこと

何かないかと思い浮かべる。

本当にやりたいことはわかっている

それが簡単にできないことも。

言い訳ばかりで時間切れ

本当にそれを望んでいたのだろうか。

 

めまい

通り過ぎるまち

通り過ぎるヒト

通り過ぎる季節

 

置き去りにするのか

されるのか

 

空っぽな心に

隙間風が吹く様だ

 

手応えなく

記憶を探ってみたけれど

なんてあやふやな

輪郭を掴むことはできず

どうやって

大地に立てばいいんだと

めまいがするばかり

 

 

通り過ぎる風景

いつまでたっても

ただ通り過ぎる風景

そんなものにしかならなかった

 

なつかしい風景

ただ思い出の中にある

目指す場所はそこでもない

 

いつか辿りつけるのだろうか

目指す場所というものへ

呪い

収穫するキャベツの重み

振るう鍬の重み

積み重なった書籍の重み

 

手放す

 

手放すことにより

身体は軽やかさを取り戻す

 

重い荷物は心身に負荷をかけ

その重みにより

生を実感させるが

もはや地に縛り付けられることから

逃れたい

 

離れることにより

飛び立つことを願うが

また別の重力の呪いを

掛けられるのだろう

 

 

すっぱいブドウ

逃げてきたことはないかと考える。

肩の力が抜けて

こだわりもなくなってきたけど

まだ「 すっぱいブドウ」がありそうだ。

なにもかもできるわけではないが

( 時間もなく、金もなく)

何が「 すっぱいブドウ」

だったかは

はっきりさせたい。

だって悔しいじゃないか

滑稽じゃないか

他人からははっきりわかる

本人だけは気づいていない。