2017-07-06 自分に還る 詩 無理したり 浮ついたり 粋がったり 心にないこと言ったり どうしようもなく疲れる どうにかして自分に還る 落ち着く場所 心の中を覗ける場所 静かな場所 心をごまかす必要はなく ただ自分と向き合っている
2017-07-02 深海魚 詩 多くの嘘を見抜いてしまう眼。 闇を見すぎるのが怖くて 心に蓋をする内に 何が正しいこと 何が待ち望んでいること 何がやるべきことかを 見失ってしまう。 いつも心は平明であるとは限らない。 歪で 凸凹で 明るさを避け 時がただ過ぎるのを待っている。
2017-07-01 感覚と経験 詩 子供の頃味わった 数多くの新鮮な感覚。 その記憶だけは しっかり残っているのに その感覚を味わうことは もはやない。 たった一度だけの あるいは 限られた時間だけの経験。 置いてきぼりに された気になる。 どうやったって そこには戻れないから。
2017-06-29 過去 詩 楽しかった過去を思い出す 辛かった過去を思い出す 客観的事実なんてものは無く それぞれの出来事が断片として浮かび上がる 全ては終わってしまったこと 過去は変えられない 確かにこれだと取り出すこともできない 今の自分は過去の道のりの果てにあると 肯定できれば幸いだ 諦めと悔恨と無くした痛みと多くの感情 それすらも徐々に形を無くしていく
2017-06-25 生活 詩 手に入れたいものは何? 見たいものは何? 行きたいところはどこ? ぼんやりしていたら 通り過ぎても見過ごし 間に合わずに 何もかも失われてしまうだろう そんなこと言ったって あわててみたって どうしてもなんてものは 滅多にない 日々の疲れと 寒さや暑さや 孤独を持て余し 昨日までの生活を思い 明日からの生活を思う
2017-06-20 午前零時 詩 やり残したことばかり 勝ち負けでいうと今日も負けた 何も事件は起こらなかった 平穏無事を祈ったから 余計な煩わしいことに 巻き込まれることはなく それはそれでいいのだけれど 残り時間がまた減った という悔恨に囚われる シンデレラでは無いけれど もう午前零時 今日は 明日に バトンを渡す
2017-06-18 あの人は今 詩 久しぶりに出会う 記憶の中は十年前やそれ以前 老けたよねと思っても お互い様だ 声には出さない あちこちにパラレルワールドがあり ひょっとして 十年前の世界だって 今現在実在しているのかも ああ、あの人は今頃どうしているだろう
2017-06-17 空き地 詩 いつもの通り道 久しぶりに通ると がらんとした空き地 濃厚な人の気配 しかし何もない ただの空き地 庭木や自転車や車や家屋なく そこにあるのはただの小石 当たり前は当たり前でなく ただの記憶となりはてた
2017-06-17 生活 詩 明るい日の下では 雲散霧消してしまう類の 憂鬱 明日になれば きっと積み重ねた 沢山の経験で 少しは楽になる 毎日の生活は 変わり映えのない繰り返し 季節が少しづつ変わっていくように 気が付けば遠いところに立っているのだろう 坂道を転げないように 足を踏み外さないように 退屈さに負けないように 臆病に囚われてしまわないように 願いながら