まどろみから
半覚醒の状態で
一階に足音を聞く
家族の誰かが
夜更かししたかと
階下に降りてみれば
誰もいない
隣家の音か
耳が良すぎるのか
小人が踊っていたのか
霊が通りすぎたのか
本当のことはわからない

真理

一瞬だけ掴んだと思った

真理というようなもの

 

あっという間に

遠ざかった

 

あれは夢のようなもの

 

幻でもいい

 

それだけが

生きてきた証だと

教えてくれたのだから

 

都会暮らし

都会暮らしに疲れ

日々の息抜きは

通勤帰りの

夜道の歩き

 

辛うじて

空を見上げて

息をついている

 

背伸びばかりは

していられない

 

シンプルに

生きたい

 

要らないものを

欲しがらないように

 

大事なものを

大事にし

見過ごさないように

心を殺さずに生きていけたらいいのに

いつの間にか消えてしまった夢

 

鈍感さに埋もれる関係を嫌い

一人ぼっちになることを

当たり前に思い

そのくせ孤独を持て余している

 

人と係わらぬことにより

独りよがりになることを恐れている

 

都会の喧騒を嫌い

静寂を愛す

ただそれだけなのに

のんびりと寛ぐことができない

 

 

何が何だかわからぬうちに

もはや夕暮れ

何も成し遂げ得ぬことを

恐れている

 

闇に走り出したとて

何になるというのか

できるのは

ただ深い息をすることだけ

今ここに

百年たっても、言葉は残る

映像も残るはず

ただし肉体は残らない

 

千年たっても、ある言葉は残る

映像も残るかもしれない

墓はすでに朽ち果てているだろう

 

一万年たって、残る言葉はあるか

原発は残っているか

まだ戦争をしているか

宇宙に住むようになったか

まだ人類は文明を持っているか

 

今はもういない祖先と

まだ見ぬ子孫へ

 

私は今ここにいる

二千十七年を生きている

 

頂( いただき)

信じることの力強さ

愚直にも歩き続ければ

いつかは見果てぬ頂に

立てると信じて

本音

あれはもう悪意のあるつぶやきだったのか
心の声を幻聴として聴いたのかはわからない
どちらにしても相手は調子づいてしゃべっていた
悪意も親切心も感じながら傷ついていた
心をオブラートに包まずのやり取り
傷つかないふりをして
そのくせ臆病になり人を遠ざけることの繰り返し
本音を言わず発声することの味気なさ
ただ曖昧に笑うだけの日々
礼儀に救われることもあるが
生きている実感は薄い

月夜

月光は平和に地上を照らす
心のさざ波を一瞬忘れる
数日続いた辛さは
過去のものとなれ

富士山

遠くから見ているだけの富士山。
まるで月のように存在感を発揮する。
地上とはいえそこは別世界。
平地にいてどこまでも遠いそれを眺める不思議。
まだ登頂を果たさず。
七月になりさすがに雪は減った。

秘密

もしも願いが叶うなら

何を望むのだろう

 

終わってしまった過去を

どうにかしたいと思っても

きりがない

 

成し遂げることができなかった

多くの夢

夢破れても

夢と現実が程よく

覚めた眼で見渡せる

ちょうど今なら

叶えたい願望を口に出すくらいの

贅沢はいいのかな

 

口に出すと幻となりそうなので

やっぱり秘密