2020-05-10 五月 詩 鳥たちはけたたましく鳴き 子供たちは路上で解放感の歓声を上げる 寒さから解き放たれた体は こわばりが緩み さっきからあくびが止まない 連日のように 吹きすさぶ風が騒がしい これこそいつもの五月 花に新緑に溢れている
2020-05-05 この場所 詩 もう日が暮れる テレビではまだ行ったことのない風景が映ってる 人生は一度きり オレはもうこの場所でいいのだと 思い定める 日が暮れても明日には また別の一日が始まることが わかっていても
2020-05-05 バラと棘 詩 美しく咲く花に 近づき過ぎることはできない ちらりと見える棘を忘れた日には 大きな傷を負うことに なってしまうのさ それでも人はフラフラと 美しさに目を奪われ 愚かにも手を伸ばしてしまうのだろう
2020-05-05 どこへ 詩 こんなもんじゃないだろう まだまだやれる 自分を励ますまでもなく 上り坂を登っていた時代 時は過ぎ 仰ぎ見た風景は どこかに消え トボトボと 歩いている オレたち どこへ行こうというのか
2020-03-09 出会いと別れの季節 詩 何時だって会えると思ってたし もう二度と会わないだろうと思ってた。 何時だって行けるだろうし もう再び行くことはないだろうと思ってた。 限りある人生の中で 心を封じ込めて どうにも成らなさに 心は引き裂かれていた。 もうどうしたって戻れない 場所に立っている。 戻りたくて戻れないのか 戻りたくなくても 忘れ難いのか 分からぬままに。