この場所

もう日が暮れる

テレビではまだ行ったことのない風景が映ってる

人生は一度きり

オレはもうこの場所でいいのだと

思い定める

日が暮れても明日には

また別の一日が始まることが

わかっていても

バラと棘

美しく咲く花に

近づき過ぎることはできない

ちらりと見える棘を忘れた日には

大きな傷を負うことに

なってしまうのさ

それでも人はフラフラと

美しさに目を奪われ

愚かにも手を伸ばしてしまうのだろう

 

どこへ

こんなもんじゃないだろう

まだまだやれる

自分を励ますまでもなく

上り坂を登っていた時代

 

時は過ぎ

仰ぎ見た風景は

どこかに消え

トボトボと

歩いている

 

オレたち

どこへ行こうというのか

出会いと別れの季節

何時だって会えると思ってたし
もう二度と会わないだろうと思ってた。
何時だって行けるだろうし
もう再び行くことはないだろうと思ってた。
限りある人生の中で
心を封じ込めて
どうにも成らなさに
心は引き裂かれていた。
もうどうしたって戻れない
場所に立っている。
戻りたくて戻れないのか
戻りたくなくても
忘れ難いのか
分からぬままに。