2020-11-01 コミュニケーション 詩 わたしとあなたの目が合った あなたの声は聞こえ あなたの姿は見えるけど 声は一方通行で こちらの声は届かない 私の姿もあなたには見えない その軽さで成り立つ コミュニケーション 思いは積み重なる いつまで経っても 軽いままで
2020-10-13 金木犀 詩 金木犀はもう散ってしまった 柿の葉がハラリと落ちる ススキの穂が朝の弱い光に揺れる 雨上がりの路上の隅っこの苔が光る 寒暖を繰り返しながら季節が進む 秋の虫が鳴いている
2020-09-27 秋の夕暮れ 詩 雨が上がり少しの青空 窓際で読書 動画配信も聴いている さっき昼ごはん 間食にホットケーキも 例によってウトウトしながら 瞬く間に時間は過ぎる 何回同じことを繰り返すんだろう それでいいとも残念だとも 言いようが無く また来週は夕暮れが早く 更に涼しくなるのだ 夕暮れに鳥の鳴き声 電車の音 もう暗くて本は読めない
2020-09-12 歳月 詩 三年、あるいは五年 さかのぼってみても この場所に来る必然性と 他に何とかならなかったのか という後悔がある さらに十年、二十年 さらにさかのぼってみても 道はどこかで暗闇にまぎれてしまい ただ踏み外さずに転げ落ち無かったことの幸運と 希望を無為に潰してしまったことの後悔がある
2020-09-06 夏が終わる 詩 台風の訪れとともに 熱気を帯びた夏が終わる オリンピックの無い二千二十年 オリンピックが有ろうと無かろうと 毎年のように災害・水難・熱中症 それに加えて新型コロナウィルス・政治の無作為、 あるいは暴走まで心配しないといけないとは 一年後の君は 梅雨明け遅く猛暑続きのこの夏を 覚えているだろうか? それともあっさり忘れてしまうだろうか?