金木犀

金木犀はもう散ってしまった 柿の葉がハラリと落ちる ススキの穂が朝の弱い光に揺れる 雨上がりの路上の隅っこの苔が光る 寒暖を繰り返しながら季節が進む 秋の虫が鳴いている

秋の夕暮れ

雨が上がり少しの青空 窓際で読書 動画配信も聴いている さっき昼ごはん 間食にホットケーキも 例によってウトウトしながら 瞬く間に時間は過ぎる 何回同じことを繰り返すんだろう それでいいとも残念だとも 言いようが無く また来週は夕暮れが早く 更に涼し…

断片

いつだってバラバラで 点と点 結べば線だが つながらない 本当は 密接に絡まっている なのに バラバラなまま

歳月

三年、あるいは五年 さかのぼってみても この場所に来る必然性と 他に何とかならなかったのか という後悔がある さらに十年、二十年 さらにさかのぼってみても 道はどこかで暗闇にまぎれてしまい ただ踏み外さずに転げ落ち無かったことの幸運と 希望を無為に…

夏が終わる

台風の訪れとともに 熱気を帯びた夏が終わる オリンピックの無い二千二十年 オリンピックが有ろうと無かろうと 毎年のように災害・水難・熱中症 それに加えて新型コロナウィルス・政治の無作為、 あるいは暴走まで心配しないといけないとは 一年後の君は 梅…

打ち上げ花火

あの夏には あの年には 一生分の打ち上げ花火 花の命のように パッと開いて パッと散った

いま、そしてそれから

あなたの苦しみが見えても わたしに背負えるはずもなく 他人事以上に共感しても嘘くさく ただ目をそらさず見ている 無関心の罪を避け いつでも手を伸ばせるように

熱風

昔の数十年前の熱風と 感覚が違うかもしれない 文字通りの熱風の日々に 屋外で出来ることは限られている 先延ばしに出来ることは 先延ばしに。 判断を誤ってはいけない

梅雨末期

降り続く雨は止まない 激しく窓を打つ雨に なすすべも無く 部屋で寝転んでいると 雨に打たれて野山を歩いた日さえ思い出す 梅雨が上がってしまえば晴れ上がるのに

あこがれ

もはや誰かのようになりたいだとか あこがれの人に近づきたいとか思わない 自分は自分であるというあきらめ あるいはジェラシーに振り回されたくないという自己防御反応 それこそが若さが失われた証拠だろうか そうであっても 勇気を失わず 継続する意思を持…

退屈

波が高い時 昨日と同じ今日を退屈に思い 波が低い時 昨日と同じ今日に安心する 明日もまた生きていく

夏の始まり

いつだって 春の始まりは待ち望まれて くっきりと姿を見せるのに 夏って奴は始まりがいつなんだか 梅雨が終わればもう 夏は真っ盛り いつの間にか始まって うんざりするほどに 日が地を焼き尽くし 夏の雑草が衰え 冷たい雨が地を冷やせば秋 で、夏の始まりは…

午後のまどろみ

焦りを適当にやり過ごし 何をすべきか見極めぬまま 今は時に非ずと 雨が止み 頭痛が消え めまいが去った日の 午後のまどろみ

雨が止む

雨が降り 風が吹き やがて雨は止み 風は吹き続ける 雨が降らないというだけで 開放感 夕方に干した洗濯物がもう乾いた

流れる

流れたのか 流されたのか 淀みに留まるうちに また流れることを 考えている

希望ばかりじゃない

恋の歌を口ずさんだり 緑の野原を思い浮かべたり つないだ手のぬくもりを思い出したり やりたいことを並べ上げたり なんとか虚しさから逃れたいんだが 頭の中は白く上書きされ 痛みから逃れられない 恐怖を見てしまう

泣いてるように 雨が降る 雨上がり 晴れてしまえば 僕も泣き止み 笑えるだろうか 共に泣いてくれているんだね 今はずっと

かくれんぼ

鬼になって 隠れているうちに 誰もいなくなった みんなどこへ行ったんだ 一生をかけたゲームで いつの間にか 日が暮れた

紫陽花

雨に濡れて歩く 激しい雨に傘は非力 天気予報は雨ばかり いつの間にか 色褪せてきた紫陽花 あの娘の好きな花

いつの間にか 空を飛べなくなった鳥 空を飛べなくても 生きては行けるが 翼は何の為にあるのだろう またいつか飛ぶ日は 来るのだろうか 風に乗り 空気切り裂き 空駆け巡る

生ぬるい風が吹く夜道を歩く こんな夜は蛍が飛びそうだと 暗闇に目を凝らしてみるが こんな大きな川沿いに 蛍がいるはずもなく ただ思い出の光が 脳裏によぎる 淡い光は 今でも あるか

思い出

この頃昔のことばかり思い出すんだ もはや死んだ人 生きてて年老いた人 確かなものだと 思っていたものはもろく 思い出は遠ざかるばかり

未来

明るい未来を信じるうちに 心は虚しく空っぽな心が痛い 知らぬ間に坂道を転がり落ちている 何を信じて何をあきらめて 何を求め続けているんだろう

人生

ある時は 薄氷を踏み ある時は 出口のないトンネルを 歩き続けている いつか来る終わり 痛みも悲しみも喜びも怒りも 人生とともにある

五月

鳥たちはけたたましく鳴き 子供たちは路上で解放感の歓声を上げる 寒さから解き放たれた体は こわばりが緩み さっきからあくびが止まない 連日のように 吹きすさぶ風が騒がしい これこそいつもの五月 花に新緑に溢れている

この場所

もう日が暮れる テレビではまだ行ったことのない風景が映ってる 人生は一度きり オレはもうこの場所でいいのだと 思い定める 日が暮れても明日には また別の一日が始まることが わかっていても

バラと棘

美しく咲く花に 近づき過ぎることはできない ちらりと見える棘を忘れた日には 大きな傷を負うことに なってしまうのさ それでも人はフラフラと 美しさに目を奪われ 愚かにも手を伸ばしてしまうのだろう

どこへ

こんなもんじゃないだろう まだまだやれる 自分を励ますまでもなく 上り坂を登っていた時代 時は過ぎ 仰ぎ見た風景は どこかに消え トボトボと 歩いている オレたち どこへ行こうというのか

競い合うように 次々と花が咲く まだ冬の構えを 解くのにためらううちに 季節は性急に移り変わる どんな気持ちで この時代を乗り切ったか 覚えていたい

におい

あなたはどこかわたしとおなじにおいがする うまれもそだちもせいべつもちがうのに