夕暮れ

秋の夕暮れ もはや日は暮れ どんよりとした空に 泣きそうになる 来る冬の心構えは できたかと問われ 心細さは増す 立ち向かうために やせ我慢せずに できることは何かと おのれに問いかけてみる 何を求め何を身につけ 何を食し何を手放すのか そして 氷の冷…

岩場に舞う紫の蝶に ダンスを踊る少女の面影を見た 感傷に浸る間もなく 若い私は足元を見ていた そのことがどれだけ心に 影を落としたかはわからない 何度も何度も 蝶のことを思い出したのは確かだ

時とともに

退屈を退屈のまま 放置してはいけない 緊張を緊張のまま 放置してはいけない 虚無を虚無のまま 放置してはいけない 淀みはいつか より傾きを求めて流れていく 均衡点を求めて 緊張は解消していく 投げやりを回収しつつ 時間を進めていく

ダンス

君の姿を捉えたくて 目を凝らして ダンスを見るのだけれど どうしても見定められない くるくる廻り 左右に動き のけ反り 開脚し 指先にも つま先にも 目を届けたいのだけれど 息をつく間もなく ダンスは終わる

夏野菜

ナス、トマト、ピーマン、キュウリ。今年は夏野菜が高かった。トマトはもともと家族が好まないのでまず購入しない。ナスはみな好物だが、高値のため買う機会が減った。ピーマンは中身が空洞のため損な気がして、買うならナスとばかり殆ど買わなかった。もう…

ひとり

一人になりたくて 水の流れのそばを歩いた 感情を鎮めたくて 山に登った 何度も何度も 水の流れは 山の高みは 何かを私に語りかけ 語り尽くさない 奥行きを見せた

緘黙

感じるものがあるけれども 語りかける言葉を持たず 宙ぶらりんな気持ちは どこに行ってしまうのだろう 言葉にすると意味は限定され ごまかしになる 空回りする言葉にはしたくなく ただ黙っているしかなかった ただの沈黙ではなく ただの傍観でもない それを…

眠い

眠い 眠い いつも眠い 睡眠欲に囚われている間は 他の欲望やら苦痛やらから 一時的に逃れられると 半覚醒のままでいたら 半分目覚めないまま 夜が来てまた朝が来る なんだか本当に 生きてるんだか死んでるんだか 時々腕がビクッと動いて ヤバイと思うんだけ…

いつも

自分を信じることが 何より重要なのに そんなことさえ忘れていた

神様じゃない

あなたが何を食べ 何に喜び 何に泣いたかを知っている 神様じゃないんだけどな あなたが発信し 私も発信する お互いに 都合よくつまみ食いする 面白さもあるが この距離感は 居心地が悪い なぜなら 神様じゃないんだ どこまで行っても 距離は縮まらないし 形…

静寂

でたらめな歌を歌った 見渡す限り人はいない 天と地と我と 歌声は四散し すぐに静寂が訪れる

夜に

静かな夜 思い出は遥か遠く 匂いやら温もりすら 感じさせるのに もはや記憶の中だけのもの

現実

もっと堅牢であると 思っていた現実は どこまで行っても 過渡期とでもいうべきもの 儚く流動し とどまることはない つなぎとめるものなどなく 流れていくまま だからこそ 日々もがいている 痕跡を残すために

波に呑み込まれてはいけない 気づいたということはまだ間に合う 陰鬱な曇り空なのに だからこそ 思いが及んだ

沈黙

沈黙は ただ黙っているだけではなかった 待っていた ただ待っているだけのようでいて わずかにごくわずかに 動いてもいた 私は年老いた その時は来たのだろうか

霧が流れる 生き物のように 雨が降る 生き物のように 光が雲の間から差す 生き物のように 生き物の私はただそれを 黙って見ていた

赤子

無垢な赤子は 手を伸ばし 笑いかけていた その目は 世界を 捉えようとしていた

タイムライン

ただ流れるだけのタイムライン 川の流れに似て 決して留めることはできない

あくび

大きなあくびをすると 涙が出るのはなぜだろう 気持ちよくてあくび連発

腐臭

いつの頃からか嗅覚を失った。正確には機能が衰えた。もはやよっぽどの強烈な匂いしか感じない。たくさんの生ゴミの腐敗臭。食事の時はまず匂いを感じない。(ここまで書いて通った総武線東中野駅のホームは匂いを感じた、なんの匂い?)老化現象なのか、メ…

水は流れる 下流へと 下流へと

ススキ

風が吹き ススキはただ揺れている まだ枯れてはいない

孤独

それは貴重なもの 孤独を恐れてはいけない ( なかなかひとりにはなれないからね) 思考を深めるには 世界に自分だけが頼り ( 借り物の思考にいつの間にか侵されている) たが孤独に溺れてはいけない 頑なな心は世界を閉ざす ( 自分対世界じゃあ叶わない)

残暑

いつまで暑いのだと悲鳴を上げながらもちょうどいい気候など 数えるほどで暑いがすぎれば 今度は寒いに文句をつける 夏の暑さもそれほど 悪いものではなかったと 体の奥に刻みつける 年輪のように

夏から秋へ

どんよりとした空 秋雨は夏草を殺す 夏野菜を殺す雨が上がった頃には 季節はすっかり 入れ替わっている

酔わない 酔えない

酔ってしまうともう一人の自分が見ている 酔えない 熱狂の中にいても醒めて立っている( つもり) アルコールに頼って酔いたくなるほど ストレスがない、幸いに そして惰性の ネットサーフィン、ネットショッピング なにかずれている

帰京

飛行機は故郷を遠ざかり 東京へ帰って行く。 東に向かう飛行機に 後ろから西日が当たる。草に埋もれない 樹木もまばらな アスファルトジャングル。食べ過ぎに注意して 昼食はラーメン一杯、 腹減った。

十六

十六歳の少年が 四十年経ってここにいる 何者でもなかった もはやそれでいい

子育て

子育ては 子にも助けられ もうすぐ終わり

日々

誰かのことを確かめて 自分の命を確かめる 空虚な心を埋めるように