朝晩涼しくなったこの頃 今日は快晴、陽だまりが暖かい 考えるより動けとばかり 動き続けてきたけれど くたびれ果てて 部屋に射し込む光を ぼんやり見ている もうすぐ訪れる冬 季節にはいつも 置いてきぼりにされる

私は恐れる このまま地に落ち 枯れ果て 風に舞い 跡形も無くなってしまうことを 遅かれ早かれ それは運命だ そうなる前に できることを やり続けることができるのか 泣き続けるとしても たとえ無駄だと虚しくなっても風はいつでも吹いている

足りないものを探す どこでボタンを掛け違えたか 生真面目に考え込んでも もはや手遅れ いいや 運命の扉はまだ 閉ざされていない

眠りの海

眠さには勝てず 眠りの海に 沈み込んで行く 深く深く 何処迄も深く 覚醒を手放した時 手に入れる安息

永遠

もう少し続けばいいと願った時間も 長くは続かず却って願うほど断ち切られる 永遠なんてあるはずないが今息を吸っている この束の間だけは永遠に記憶に残るよう願う

小説

とうとうひとつの小説も書けなかったが 読むことくらいはできるだろう あといくつの話を読むことができるだろう 読まなくたって生活はできるが 遠い所に連れて行ってくれる

こうありたいと思う自分と 現実の自分 この道を歩いていると いつまで経っても 辿り着かない いつか時が熟すのを待つ 言い訳ばかりだ 自分をどこまで 信じられるか 一人善がりで 無い事を願う

景色

風景が曇って見えたら それはただの メガネの曇りだった しかし メガネを取ってしまっては 正確な像に焦点は合わず メガネの曇りを拭く布も無い 一点の濁りもなく きれいな世界を見ていたのは いつまでだったのか

深まりゆく秋

台風一過のあと うだる暑さは去り 紛うことなき 秋が訪れた 祭りが去って 一夜明けた朝のように 寒々しくて 切なくて

午後四時半

空はどんよりと曇り 秋の空はもはや暗い 退屈紛れに 夕食の準備は終わった 仕事疲れで外出のない休日 せめてもの動画配信を待っている

野菜と人生

秋冬野菜の種まきは 来る寒さとの闘い 大根ならお彼岸までに播かねばならぬ 十月過ぎての種まきはもはや十分に育たない 苗もまた同じ 白菜もお彼岸までに定植するのがよい 育ちが悪いと結球せず失敗だ ならば早めに植えようとすると 食欲の活発な虫にやられ…

秋の日

日毎に色あせていく彼岸花 残暑に気を取られ ススキの穂が出ているのに やっと気づいた今朝 秋は日ごと週ごとに 深まりゆく 秋の果実のように 成熟できたらと つかの間願う それまでは 落果しないよう我慢

傍観者

何だってこんな事に なってしまったんだろう 当事者として 責任を果たす事ができず 知らん振りして心を閉ざす 都合のいい時だけ 愛想笑い そうするだけの事情が あったんだ そりゃそうさ 誰でも事情はあるさ だけど いいとこ取りは 許されない 報いは必ず受…

記憶

哀しみも 悦びも たちまち消えてしまう なのに 大昔の恨みが 残り続ける これが消えてしまったら 我が身が消えてしまうかのように 心の奥底に貼り付いた 記憶は拭い難く そこにある たったこれだけのことを 書くのに何年かかったか

空(くう)あるいは(から)

心は広く 外に向かいたい それとは反対に 信用するな 騙されるな 自分だけが頼りだ 全く真逆の声を聴く 時代が変わって 人は年老いて 迷っているうちに 判断の基準も 変わる 大事にしたかったものを 軽々と脱ぎ捨てて それが無惨なのか 軽妙なのかが わから…

明日へ

劇的に 変わるはずもない日常 淡々と 生活を維持するために 仕事をし 雑事をこなし 家庭生活を 社会生活を 送っていく それでも 何かがいい方向に 変わっていくと信じて 少しだけ 手を伸ばす 限定的なことが 何かにすぐに 繋がるとも 思っていない それでも …

世界

何ものも自分のものとして 取っておくことは できない そうしてしまったら 輝きは失われ 死んでしまう 虚しく 飾られた 偽物の 溢れた世界

踊る

踊れ 踊らされることなく 踊るには 踊る必然性があり あなたには それが十分分かっている 力を凝縮し フリほどき 獣のように 丸まり 飛び跳ね 人間以前の 動物として そこにある 分かる人には 分かる その哀しみを 喜びを 孤独を

光る海

山の上から見下ろす港 時を超えて 今ここに立ち 再びここに来ることも あやふやで それでも光景を 目に焼き付けたくて 佇むも 出発の時間は迫っている 人生は長い旅 いつも命ある限りは 旅の途上

帰宅

半月のそばにくっきりと 星が瞬く 青空低く ワタ雲が流れていく 明るいうちの帰宅も 今のうちだけ 日毎夕暮れが早まる

まだ

諦めやら 疲れやら 老いが ぬぐい難く 肌に染み付いても まだ諦めてはいない 一体求めているものが 青い鳥に過ぎなくても もはや日暮れが近くても

再び始まりの秋

春から一年が始まるとするなら 秋の始まりとともに半分が終わる 収穫の秋はまた 秋を越えて 冬を乗り越えるため 後半の半年の始まり 畑もまた冬野菜の苗を 植える時季を迎える

どんどん突き進んで 行き着く先は どこなんだ 燃え尽きるのが本望かいずれ来る 終わりの日まで 生命の炎を 燃やし続ける

時は過ぎ行く

数多くの昔話。 今ここも すでに幻のように 急速に溶けてゆく。 誰か本当に この現実を確かなものだと 証明してくれ。 悪夢で無く狂気でなく 理知的で正気を失っていないと。

自戒

遠いところばかりを見ていると 足元の大事なものを見失う

言語化

若い頃に当たり前にあった感性が失われ、書いた文章が失われたのが残念。そもそもそれをどれだけ意識して言語化していたか?それとは失われない内に自分で語りうる自分自身の言葉で言語化すること。大学生時代の日記のみは手元に残っている。それ以前の記憶…

思考

一つの現象の裏には 多数の因果が絡む 一つの交流の裏には 多数の好意や悪意が 顕在化されないだけの 淡い接触が潜む 私が声をかけたり かけなかったり それは偶然でも必然でもなく 宙を舞う埃のようなものかもしれない

待つ

やるだけのことをやったら 後は待つだけ そうは思っても まだ本当にやりたいことに 手をつけていないのではとか まだやり足りないのでは 落ち着かないまま 時間だけは過ぎる やり尽くさなくても 時間が過ぎれば とりあえずOK それが救いであり 絶望でもある

困惑

目の前の人に 誰かの面影を重ねる 思い出を重ねて 傾倒してはいけないと 自制する 決してあの人と この人は違うのに

歩く

炎天下の中を 人がジョギングしていく こんな日にと思うけど その人なりの切実さ 私はただ歩くだけ