におい

あなたはどこかわたしとおなじにおいがする うまれもそだちもせいべつもちがうのに

出会いと別れの季節

何時だって会えると思ってたし もう二度と会わないだろうと思ってた。 何時だって行けるだろうし もう再び行くことはないだろうと思ってた。 限りある人生の中で 心を封じ込めて どうにも成らなさに 心は引き裂かれていた。 もうどうしたって戻れない 場所に…

静寂

静寂を愛す 空白を愛す 何もないことの豊かさを愛す たとえ虚弱を笑われようとも もっと言葉を尽くしたいが それさえも過剰

青い果実

熟さぬまま 枯れてしまうのだろうか 暑い季節に 足踏みをしたまま 伸びやかに 育たなかった 青い果実は

トマト

分かってくれぬなら それでいいと 口をつぐみ 挙げ句の果てが このざまだ 青いままの トマトみたいに 食えない奴

金星

仕事帰り 西の空にひときわ 輝いて見える星 それが金星 宵の明星 ここは冬枯れした 大地だけれど 金星は 人が住めない 荒涼とした大地 なのになぜ 懐かしく 手を伸ばしたくなるのか

内と外

外に何かを求める度 自分の荷は軽くなり それだけでなく 自分自身も無くなって ふわふわと飛んで行きそうだ それでいいのだ という自分と 輪郭を守りたい 自分が居る

匂い

季節ごとの匂いや 人の匂いや 建物の持つ匂い 強烈に嗅ぎ分けていたのに そんなもの無かったように 雲散霧消 本当に無くなったのは 匂いなのか 感じ取る能力なのか あるものを 無かった事にする 能力のせいなのか 無味乾燥な 人工社会のせいなのか 死んだよ…

流れ

いつだって言葉が足りない 言い尽くそうとすれば 空虚さを露呈し だんまりを決め込んでいれば 何も伝わらず 冷たい悪意さえ 与えてしまう 足りないくらいが ちょうどよく 流れに勝手に身を任せる

冬の底に見える春の兆し 暖冬でも冬は冬 厳しさを乗り越えて その先に待つ 光り輝く 春を夢見ている

無題

タイトルはまだない 先に人生があった

カレンダー

カレンダーの多くの余白 余白だらけでも 仕事に家事に やることはある 録りためた番組も見なきゃ 借りた本も読まなきゃ あの子の配信も見なきゃ 今はまだ 空白のままでいい 埋まらないままの カレンダー 今はまだ

人生

心は乾いている 潤いを求めている なのに どうにもならないことと あきらめて あるいは 先延ばしして 考えないようにしている あきらめてしまったら おしまいだと ヒリヒリした 危機感を持った日々を 思い起こしている 立ち止まって 迷って考えて 励まして …

許す

ねえ許すと言って 望みはたったそれだけのこと

明日

おやすみ もう夜は更けた 喜びも 悲しみも 今日までのこと 明日また会おう君に 明日こそ

窓を濡らす雨 こちら側は 寝室で夢心地 朝には止んでいる

ハードル

恐る恐るためらいながら進んできた道のり いつの間にかハードルは乗り越えていた 長い蓄積のゆえに容易になっただけなのか 元より強大な壁など存在しなかったのか 人生は一度きり 悩み続けながらも ここまで来れたことの感謝と 個人の力だけではない運命に …

まだ生きている

過去は変えられないと言うけれど 失った過去を取り戻さなければ とても前に進めそうにない 過去を取り戻すとは 大事にしていた気持ちや感性を 無かったことにせず 抱きしめること 愚直でも そうせずにはいられない オレはまだ生きている

報われぬ気持ちを 抱えたまま夜はふける ひたすら待つだけしかない 夜もあった あの頃とどこか似ている 大事なものを 壊してしまわないように 慎重に丁寧に 歳月を経て 少しばかりの賢さは 示したい 夜はいつかは明けるのだから

陽だまり

二階の窓を開け放し 陽だまりで寝転んでいる もう年の瀬というのに 小春日和の穏やかな日射し 今日午後には あの娘の出る お芝居があり 当日券もあるそうだ 寒さも時間もお金も 行かないことの 言い訳にはできない ただ疲れているだけ 心も体も熟さないと 強…

あきらめ

あきらめてもいるし 生きている限りはと 望みを後に託し あきらめきれないこともある オレの本当の望みは何なのか 問いかけこそ大事なことなのに それを忘れてしまいがちな日々 あきらめきってしまえば 心は冷めきって干からびてしまう 手放してしまうことに…

歳月

置き去りにした積りで 置き去りにされる 何も伝える事ができぬまま 生み出す事の重さに 耐え切れぬまま

小走り

エレベーター 電車 思わず小走りで 乗り込む人を横目に 悠然と歩く 腰痛で小走りはできない 小走りできないからと 困ったことはない 小走りする日は来るのだろうか

春、芽吹き 秋、葉を落とす 葉は無くとも 寒風に耐えて 芽吹きに備えて 樹は秘かに生きている

季節

季節が通り過ぎ 花が咲きそして散る どうせ愛でる暇なく散るなら さっさと散ってくれと思うけれど また季節は巡り花が咲く

総理大臣

総理大臣が嘘をつくばかりの不幸 この世を謳歌しても 数ある不正が積み重なり 今にも高転びをしそうだが 不正を最高権力者が故に見過ごされ 権力の座を手放した時の追求を恐れ その座にしがみつく もう辞めたらどうですか

いびつで 大きくもならず 色づかないまま 腐っていく 季節は実りの時季 十分に育たなかったのは 何かが足りなかったのか あまりに過分だったのか 今から育てと言っても 遅すぎるのか 誰の身の上にも 等しく時は流れた 枯れて土に還る 自然に教わらなくても …

朝晩涼しくなったこの頃 今日は快晴、陽だまりが暖かい 考えるより動けとばかり 動き続けてきたけれど くたびれ果てて 部屋に射し込む光を ぼんやり見ている もうすぐ訪れる冬 季節にはいつも 置いてきぼりにされる

私は恐れる このまま地に落ち 枯れ果て 風に舞い 跡形も無くなってしまうことを 遅かれ早かれ それは運命だ そうなる前に できることを やり続けることができるのか 泣き続けるとしても たとえ無駄だと虚しくなっても風はいつでも吹いている

足りないものを探す どこでボタンを掛け違えたか 生真面目に考え込んでも もはや手遅れ いいや 運命の扉はまだ 閉ざされていない