無題

ただ通り過ぎる季節を見送る 花々が咲きそして散りゆく 虫たちが鳴きそして姿を隠す 人もまた同じ いったい何ができようか

一日

大人しく一日をやり過ごす 静かに波風立てなければ 一日生き延びれるかのように

酷暑

季節は夏 燃えるような暑さを前に この暑さを夏に分けれたらいいのに 暑さ貯金はできないのかな そして冬には冬の寒さ貯金 暑さと寒さの循環が 地球のダイナミックス わかっちゃいるが もう少し何とかしたい 夏の暑さよ

音楽

君の頭の中で鳴り続けていた音楽はもう止まってしまったのだろうか

生活とリズム

同じ道同じ店同じ会話 生活は繰り返す リズムによって 生活は廻る 退屈も少々 風が吹く 雨が降る 日が照る 季節が巡る

天の川

カエル鳴く カエル鳴く 天の川の夜空 高らかに

手紙

君に手紙は書けなかった 気持ちを込めた手紙を 渡したかった気持ちは 少しだけあった でもすでに気持ちは 伝わってる気はしていたし もうこれ以上 何を語ろうというのか 手紙を手渡すチャンスは 決して多くはない 数少ないチャンスを 逃してしまったのだろう…

夏至

夏至過ぎて そうか 君は帰っちゃうのか みたいな 名残り惜しさ 初夏で どんどん ひまわりだって 背が伸びていく というのに

奇跡

願った奇跡は起こらず だらだらとした日常が続く 淡々とした日々それこそが 奇跡なのかもしれない

明日へ

疲れたなら もうこれ以上無理なら 手放せばいい 続けるのはただの惰性 気にしているのは自分だけ 執着から離れれば また新しい地平が見えるはず さよならから始まる明日 重い荷物を振りほどいて

さよなら

もうすぐぼくはこの街を出て行く 電話ボックスに置忘れたアドレス帳 この街で出会った人たち もう会うこともないままに そっと別れを告げた

群青

群青という絵の具を 水に溶き 画用紙に塗った そこに現れる空と海 空は手を伸ばしても届かず 海はここから数十キロ先 はるか遠い

人生

ねえ生きてるって孤独でしょう どんなに仲が良くても どんなに近しくても 分かりあえないものがある だって人はそれぞれの人生を歩いている 私は私 あなたはあなた 同じ人間では無いんだもの 分かりあえたとしても それは大いなる錯覚 都合のよい錯覚 だから…

春 花見することなく 桜散る 梅雨に 紫陽花の花 通りすがりに 見かけるだけ バラの花も 咲いているだろう 季節を彩る 花たちよ 私もまた 生きている 吹く風に 揺られながら

通り過ぎた季節

慈雨のように 降り注いだ声を 今はもう聞くこともなく あの声は特別な声 特別な季節 通り過ぎる前から 自分に言い聞かせてきた いつの間にか アーカイブの残った 配信アプリも サービス終了

与えられるものと与えられるものとつり合いが取れてるかとか考えすぎてだってバランス取れないと一方的な愛は痛すぎる辛すぎるでもどれだけ愛されたことだろうどれだけ愛したことだろう返せない愛もあった返ることのない愛もあった愛は生きていてこそそして…

海岸通り

大切な想い出語りましょう 心に残るあなたの影は今どこに 海の青空の青ひとすじの風になりひとつに溶け合い愛を語った日々が心に残るあなたの影が音もなく崩れていく 日々の暮らしに追われ心も体もあの頃とは遠い場所にいるもう戻れないよあの頃には 大切な…

希望

君の濡れた瞳を見ていると この濡れた鰭もやがて手に変わる 幾世代も通り過ぎて 信じることだけが今できること そのことがどれだけ力を持っていることか

お誕生日おめでとう

私は月 あなたを照らす 私は土 あなたの影を宿す お誕生日おめでとう ( 三年前に書いてメモに入れていたものを投稿)

窓の外は雨 こんな雨の日は 雨音を聴きながら涙を流す 悲しいから泣くんじゃない ただ涙を流すことで心を洗っている 明日には晴れるだろうか

過ち

もう過去に答えは出ている 過去にさかのぼっての答え合わせ 答えが分かっていても また過ちを繰り返す愚かしさ 目を醒ませ

二人の間

ぼくはあなたにそっと触れる 傷つけないように 嫌われないように 微妙な距離感で 付かず離れず 正しい距離感 誤っている距離感 いつまでも近づかない距離 ハリネズミ同士のように

マスク

もう3年 晒さない素顔を たまに見ると 3年分 老けてて 驚く コロナ後に 出会った顔は マスク姿しか知らず 素顔との ギャップに 驚く かくして 自分の顔を 隠すのに 慣れた習慣から 抜け出せないでいる 感染予防とは また別の話

現在過去未来

あれもこれも過去のこと 過去を振り返らずに 未来を見ているうちに もはや目指す未来もない 過去には生きられないが 生煮えの過去を片付けないと 正しく先に進めない

今日もまた

生活のために 仕事に出かけ 承認欲求のために SNSをさまよい 癒やしを求めて ライブ配信を 視聴する 今日もまた

坂道を転がり落ちる花びら 川を流れる花びら 路上に重なり色褪せる花びら 花は落ちてもなお花

今日

記念日を 越しても今日は 昨日と変わらぬ今日

三月の風

タンポポが咲く 蝶が翔ぶ 三月の風が頬を撫でる

三月の雨

乾いた心に 三月の雨よ 降りかかれ

何者でもない

心の痛みは 病もしくは死に対する恐怖と 何者にもなり得なかった 空虚な時間の積み重なり 歩いて来た道を 肯定するか 否定するか 何者でもないという 心の痛み 残り火のように くすぶっている