星にロマンスは無い 勝手に 心を投影しているだけだ 今日は涙を流す そして 明日には忘れている仲良く並んで見える星座 唐突に流れる流星 人智を超えるものの 存在を示している その畏れを ロマンスというのか

距離

私とあなたの 人生が同期する その距離は 遠くて近い 近くて遠い 手が届きそうで届かない 傍観しているからこそ 近くにいられる あなたが 泣いたり 笑ったりして 私も泣きそうになったり 笑ったりする 唯一 同時代に 息をしていること だけは確かだ

この道

気の利いたことを言うために 書くんじゃない。 どうしても言わざるを得ない 言葉が滲み出してくる。 謙遜も自慢も不要。 肩の力を抜け。 人生は短い。 言葉の力を信じて 我が道を歩め。

焦げ茶色

暖冬で 温いままの大気 木枯らしも吹かないビルから見渡す けやきの木々は まるでくすぶる火のように 焦げ茶色

追憶

すがるようにして 聴いた曲も むさぼるようにして 読んだ本も 通い慣れた あの場所も どんどん色あせて 掴んだ掌の中から すり抜ける 過去 現在 未来

眠い

眠りに引き込まれていく 夜の名残がもったいない 眠くても眠られない 救いがたい夜を思えば 眠くて眠くてしょうがない夜は 何とありがたいことか おやすみなさい

本日快晴

面倒くさくて 駅まで自転車で 行く気力も無いくせに 天気がいいというだけで その事実は覆される

電車

満員電車が 特急停車駅に停まり おびただしい人が 吐き出される どこにいたんだ これだけの人が

言葉 コトバ ことば

他を拒絶するための言葉がある ただ己を慰めるためだけの言葉がある 沈黙を保つための言葉がある あなたからわたしへ わたしからあなたへ 伝わらない言葉に意味はない 広がらない言葉に意味はない

夕暮れ

秋の夕暮れ もはや日は暮れ どんよりとした空に 泣きそうになる 来る冬の心構えは できたかと問われ 心細さは増す 立ち向かうために やせ我慢せずに できることは何かと おのれに問いかけてみる 何を求め何を身につけ 何を食し何を手放すのか そして 氷の冷…

岩場に舞う紫の蝶に ダンスを踊る少女の面影を見た 感傷に浸る間もなく 若い私は足元を見ていた そのことがどれだけ心に 影を落としたかはわからない 何度も何度も 蝶のことを思い出したのは確かだ

時とともに

退屈を退屈のまま 放置してはいけない 緊張を緊張のまま 放置してはいけない 虚無を虚無のまま 放置してはいけない 淀みはいつか より傾きを求めて流れていく 均衡点を求めて 緊張は解消していく 投げやりを回収しつつ 時間を進めていく

ダンス

君の姿を捉えたくて 目を凝らして ダンスを見るのだけれど どうしても見定められない くるくる廻り 左右に動き のけ反り 開脚し 指先にも つま先にも 目を届けたいのだけれど 息をつく間もなく ダンスは終わる

ひとり

一人になりたくて 水の流れのそばを歩いた 感情を鎮めたくて 山に登った 何度も何度も 水の流れは 山の高みは 何かを私に語りかけ 語り尽くさない 奥行きを見せた

緘黙

感じるものがあるけれども 語りかける言葉を持たず 宙ぶらりんな気持ちは どこに行ってしまうのだろう 言葉にすると意味は限定され ごまかしになる 空回りする言葉にはしたくなく ただ黙っているしかなかった ただの沈黙ではなく ただの傍観でもない それを…

眠い

眠い 眠い いつも眠い 睡眠欲に囚われている間は 他の欲望やら苦痛やらから 一時的に逃れられると 半覚醒のままでいたら 半分目覚めないまま 夜が来てまた朝が来る なんだか本当に 生きてるんだか死んでるんだか 時々腕がビクッと動いて ヤバイと思うんだけ…

神様じゃない

あなたが何を食べ 何に喜び 何に泣いたかを知っている 神様じゃないんだけどな あなたが発信し 私も発信する お互いに 都合よくつまみ食いする 面白さもあるが この距離感は 居心地が悪い なぜなら 神様じゃないんだ どこまで行っても 距離は縮まらないし 形…

静寂

でたらめな歌を歌った 見渡す限り人はいない 天と地と我と 歌声は四散し すぐに静寂が訪れる

夜に

静かな夜 思い出は遥か遠く 匂いやら温もりすら 感じさせるのに もはや記憶の中だけのもの

現実

もっと堅牢であると 思っていた現実は どこまで行っても 過渡期とでもいうべきもの 儚く流動し とどまることはない つなぎとめるものなどなく 流れていくまま だからこそ 日々もがいている 痕跡を残すために

波に呑み込まれてはいけない 気づいたということはまだ間に合う 陰鬱な曇り空なのに だからこそ 思いが及んだ

沈黙

沈黙は ただ黙っているだけではなかった 待っていた ただ待っているだけのようでいて わずかにごくわずかに 動いてもいた 私は年老いた その時は来たのだろうか

霧が流れる 生き物のように 雨が降る 生き物のように 光が雲の間から差す 生き物のように 生き物の私はただそれを 黙って見ていた

赤子

無垢な赤子は 手を伸ばし 笑いかけていた その目は 世界を 捉えようとしていた

孤独

それは貴重なもの 孤独を恐れてはいけない ( なかなかひとりにはなれないからね) 思考を深めるには 世界に自分だけが頼り ( 借り物の思考にいつの間にか侵されている) たが孤独に溺れてはいけない 頑なな心は世界を閉ざす ( 自分対世界じゃあ叶わない)

残暑

いつまで暑いのだと悲鳴を上げながらもちょうどいい気候など 数えるほどで暑いがすぎれば 今度は寒いに文句をつける 夏の暑さもそれほど 悪いものではなかったと 体の奥に刻みつける 年輪のように

夏から秋へ

どんよりとした空 秋雨は夏草を殺す 夏野菜を殺す雨が上がった頃には 季節はすっかり 入れ替わっている

酔わない 酔えない

酔ってしまうともう一人の自分が見ている 酔えない 熱狂の中にいても醒めて立っている( つもり) アルコールに頼って酔いたくなるほど ストレスがない、幸いに そして惰性の ネットサーフィン、ネットショッピング なにかずれている

帰京

飛行機は故郷を遠ざかり 東京へ帰って行く。 東に向かう飛行機に 後ろから西日が当たる。草に埋もれない 樹木もまばらな アスファルトジャングル。食べ過ぎに注意して 昼食はラーメン一杯、 腹減った。

十六

十六歳の少年が 四十年経ってここにいる 何者でもなかった もはやそれでいい