時は過ぎて

いつまでも無邪気で居たかったのに あなたの前では無邪気で居られた そんな時間がいつ迄も続けばいいと思った 夢見るような楽しい時間 ああ無情に時は過ぎてゆく 壊れる前に壊そうか いっそ浸り尽くせば 飽きようか? いつまでも無邪気で居たかったのに 時間…

卒業

ああ3月になると卒業 どうあがいても時は流れ そこへと運ばれていく 学校時代の三学期のように 消化試合のように 少しづつ強くなる午後の光は 卒業の日を予感させる

今日も命は燃えていく 燃えたあとの灰の温もり 燃やすもの無くなったら 何を燃やしましょう?

時は流れていく

変わらないもの 変わりゆくもの 大きな時の流れの中で 流れ流されて すべてのものは形を変えて その場にとどまることはない

一年ありがとう

また一年が終わる この困難な時代を 乗り越えて生き抜いた 数少ない貴重な出会いに 後退し続けることなく 何とか踏みとどまれた 幸運に感謝する この先の新たな道を進むには 何かをあきらめ 何かを大事に 守って行かなければならない 今までと違う何かの 予…

歌声

君の歌声 震える声は 耳に近く 美しき姿は 手を伸ばせば 届きそう ああでも どれほどまでに 遠いことか 近づけば 遠ざかり 遠ざければ また近づく 時を越え 空間を越えて 幻を見ている あるようでいて そこには無い

今は寂しい 今は辛い 声に出せないほどに 安易な慰めなど 何の役にも立たない ただ涙を流すだけ

陽だまり

春が来て 冷たい氷が 溶けるように 冷え切った心が 陽だまりで 溶けていくような空

無色透明

ただ通り過ぎるだけの関係で 名前も顔も声も 忘れる前におぼろげで しがらみの無さとは 相手にとっても 無色透明

出来事

あの年には あの出来事があって どういう気持ちだったか 思い出せなくても 困りはしないが 大事な物を亡くした気になる

音の切れ間に 屋外の 雨の音を知る

夕暮れ

夕方になって駆け出しても どこにもたどり着かないんだよ 本気で目的地に向かうなら 早朝から出発しなければ 無為に時間を潰し 残酷にも夕暮れに気づいて 途方に暮れる さてここはどこなのか

歩く

朝の道 誰も彼も 倍速のように 歩いて 自分もまた

日々

冬空のもと歩いていく 希望は有るのか無いのか 雨が降らないだけましなのか 退屈だけど悲惨でもない ただ日々をやり過ごす

青いリンゴ

青いリンゴを買ったよ 赤くなくても甘くて酸っぱい

詩と死

感じたことを書けば詩になる 書き留めなければ煙のように消えていく どれだけの形にならなかった言葉があっただろう 墓石に刻まれた文字のように時代を越えて残るのか 残したい言葉はあるか

記憶

記憶は風化し簡略化し改ざんされる 元より正しい記憶など無い 最後にはおぼろげな印象のみが残り やがて消えていく 誰にとっての誰の為の記憶か この世にこの体を つなぎとめるための記憶 ひとときの音楽のように 風が通り抜けるように やがては消えていく

小鳥

川原の深い竹やぶの 中に潜む小鳥 せせらぎとともにさえずる 光が射し 風が通り抜け 光が傾く また一日の営み

渋柿

おいしそうに 色づいている柿は たいていは渋柿で 手を加えると 食べられなくも無いけれど 多くは樹上に放置されている

どこへ

スマホから語りかけられる5年前の今日 遠いところへ来てしまった そしてどこへ行こうと言うのか

洗濯バサミ

昨日の冬模様から一転青空広がる 布団、たくさんの洗濯物干し上げる ピンチハンガーの洗濯バサミが 今日も掴んだ拍子に割れた 紫外線で朽ち果てている

静かな夜

私には静かな夜が必要だ 誰にも何にも邪魔をされない静かな時間が 日々のダメージが何層にも重なり合い 平気なふりをしてももはや拭い難い いくつもの静かな夜が流れた時 我が心は癒やされるだろうか 悲鳴を上げた体は 安息を得るだろうか

出口の無い感情を持ち続けている どれだけ向き合うべき問題から 目を背けてきたことか あれはあれ それはそれ 時間だけが解決になる事もある その挙げ句 虚しく過ぎてきた時間の重みを思い知るのだ

記憶

日記を破いたって 写真を燃やしたって 過去は消えない 無くなったりはしない ただ多くの時間が流れて 頭の中から記憶がかすれて行くのです 誰からも忘れさられたことは 無いのと同然なのでしょうか?

時間

時間は失われたのか 積み重なったのか 過去の映像だけが残り そこには行くことも 手を伸ばすこともできない 別々に流れていた時間を 重ね合わすことすらできない 残酷なまでにすれ違う

青空

君は空 八月の青い空 ぼくは雲 八月の白い雲

終わらない夏

終わらない夏を夢見てた いつまでもこの幸せが続くように 夏の暑さが思考を奪い 曖昧なままにしていたことも 季節が巡り涼しくなる頃には ふと我に帰ってしまうんだ

その先へ

かくあれと望んだことは 身勝手な願望で 幸運な連鎖が 続かなければ 実現しない でも望まなければ 可能性は0パーセント その執着心に苦しめられても 為さぬことの虚しさに 苦しめられるよりましだ

あなたの歌声

静寂を壊すことを 嫌うような 囁くような 呟くような歌声

今私に必要なもの

苦しさの原因は空っぽの心に無理やり詰め込もうとするからだとわかっているのにそれを止めることができない。生きているから仕方のないことなのか。何もしない時間が必要だ。