時は流れて

いつの間にか年老いた。 足取りは軽いつもりでも、 反射する壁面に映る自分の姿にぞっとすることがある。 老化を受け入れることは簡単ではない。 まだ若かった頃、 若さゆえの心の高ぶりを持て余し、 歳を取れば穏やかになれるかと思っていた。 確かに不要な背伸びをすることや、性急さは影を潜めた。 でもその奥にある心…