初老の男

こっち側あっち側と綱引きをする。 遠く感じられたあっち側が気がつけば親しいものになっていた。 足取り重くよろける。 顔に貼りついた疲れは取れない。 何歳まで生きるつもりだ。 自分で思っているほど若くないぞ。 いやそんなことは十分わかっている。 若いという事だけが取り柄だった頃もとうに過ぎ どんどん死に近く…