十四歳の冬

もう手遅れだと思った。
すでに遅すぎるのだと。
烈しく焦りを感じ、
どうしようもなくうろたえた。
 
あれからすでに四十年。
平凡に生きることさえ難しく、
現実と格闘している。
人生というステージに立ち、
時には逃げだし、
勝ちつづけることなどなく、
負けつづけることもなく、
かすかに捨てなかった夢を、
ひそかに抱いて生きてる。
 
十四歳の冬は繰り返し、自分に問い掛けた。
そして大人になった今でも、
変わらない自分と、
変わりすぎた世の中に驚いている。