友よ
小学校、中学校と同じ教室で過ごし、同じ部活動をする。
あの暗黒時代を一番身近に感じていた存在。
君は母親を亡くし、もっと心が波だっていただろう。
温厚な君と、おもいっきりケンカになったことがあった。
ぼくの言ったことがからかいに聞こえた君はひどく怒り、
田んぼの中を追いかけて石を投げつけてきた。
最後に会ったのは二十才の時。
故郷とはずっと遠く離れた東北に就職することが決まった、
と教えてくれた。
そして、若くして父親も亡くしてしまった君。
故郷との縁は続いているのだろうか。
その頃から同窓との縁が全く切れてしまったぼくは、
君の消息を誰に聞くでもなく、今に至ってしまった。
友よ。元気なのか?