写真

君の写真を撮った。

写真は光の芸術。

暗室で徹夜して、印画紙に焼き付けた。

君の姿が、白い印画紙から浮かび上がってきた。

展覧会に飾った。

言葉にならない気持ちを写真になら託せると思った。

でも本当は答えなんかなかったんだ。

存在を浮かび上がらせることしかできなかった。

それだけで十分だった。

その一瞬は確かに存在したし、僕も確かに息をしていたんだ。