商品になる、ならない
当たり前のことを書くと商品にならないとある人は言った。
新奇な、珍奇な、目新しく、人目を惹き、感情をゆさぶり、
何者かと思わせる内容がなければ駄目なんだと。
しかし物事は、
1%に当たる濃縮された商品になるようなものより、
平凡で日常に溶け込んでしまうけど、
それを無視したら生活が成り立たず、
些細な感情やどうしょうもないしがらみや、
愚痴や諦めやら退屈な繰り返しやらでできている。
無理に商品になろうとするからつらいんだ。
商品になろうとすることは、
冷厳な他者の判断に身を任せることだが、
そもそも他者は気分屋でこちらの責任を取ってくれず日和見だ。
商品になってこそ価値があるんだという説には異を唱えたい。
あなたの大事なものは商品でしたか。
便利なものは商品でしたか。
商品ばかりが大事ですか。