始まりと終わり


無口な君の隣に座った。
無口なゆえに逆に多くを語っていた。
言葉に頼らず、自身を語っていたから。
無口すぎて、その声音さえ忘れてしまった。


君の瞳を見れば紛うことはない。
瞳の輝きは消えてはいないだろうか。
あまりにも多く隔たった
時間と空間。
遠い時空は歪んで見える。


瞬間でしか無かった
淡い交わり。
始まりも無く終わりも無い。
二つの線はある時交差し
また離れて行った。