野菜と人生

秋冬野菜の種まきは

来る寒さとの闘い

大根ならお彼岸までに播かねばならぬ

十月過ぎての種まきはもはや十分に育たない

苗もまた同じ

白菜もお彼岸までに定植するのがよい

育ちが悪いと結球せず失敗だ

ならば早めに植えようとすると

食欲の活発な虫にやられる

 

私にとっての種まきは

まだ間に合うか

苗は十分育っているか

自然の一部である

人間の人生も大きな流れに抗えない

秋の日

日毎に色あせていく彼岸花
残暑に気を取られ
ススキの穂が出ているのに
やっと気づいた今朝
秋は日ごと週ごとに
深まりゆく
秋の果実のように
成熟できたらと
つかの間願う
それまでは
落果しないよう我慢

傍観者

何だってこんな事に
なってしまったんだろう
当事者として
責任を果たす事ができず
知らん振りして心を閉ざす
都合のいい時だけ
愛想笑い
そうするだけの事情が
あったんだ
そりゃそうさ
誰でも事情はあるさ
だけど
いいとこ取りは
許されない
報いは必ず受ける

記憶

哀しみも
悦びも
たちまち消えてしまう
なのに
大昔の恨みが
残り続ける
これが消えてしまったら
我が身が消えてしまうかのように
心の奥底に貼り付いた
記憶は拭い難く
そこにある
たったこれだけのことを
書くのに何年かかったか

空(くう)あるいは(から)

心は広く

外に向かいたい

それとは反対に

信用するな

騙されるな

自分だけが頼りだ

全く真逆の声を聴く

 

時代が変わって

人は年老いて

迷っているうちに

判断の基準も

変わる

 

大事にしたかったものを

軽々と脱ぎ捨てて

それが無惨なのか

軽妙なのかが

わからない

 

全ては

生成し

流転し

消滅すると

言っても

こだわりがなければ

空虚じゃないか

 

 

明日へ

劇的に

変わるはずもない日常

淡々と

生活を維持するために

仕事をし

雑事をこなし

家庭生活を

社会生活を

送っていく

それでも

何かがいい方向に

変わっていくと信じて

少しだけ

手を伸ばす

限定的なことが

何かにすぐに

繋がるとも

思っていない

それでも

少しはどこかに

向かっている

ことだけは確かだ