午前零時

やり残したことばかり

勝ち負けでいうと今日も負けた

何も事件は起こらなかった

平穏無事を祈ったから

余計な煩わしいことに

巻き込まれることはなく

それはそれでいいのだけれど

残り時間がまた減った

という悔恨に囚われる

 

シンデレラでは無いけれど

もう午前零時

今日は

明日に

バトンを渡す

 

あの人は今

久しぶりに出会う

記憶の中は十年前やそれ以前

老けたよねと思っても

お互い様だ

声には出さない

 

あちこちパラレルワールドがあり

ひょっとして

十年前の世界だって

今現在実在しているのかも

 

ああ、あの人は今頃どうしているだろう

空き地

いつもの通り道

久しぶりに通ると

がらんとした空き地

 

濃厚な人の気配

しかし何もない

ただの空き地

 

庭木や自転車や車や家屋なく

そこにあるのはただの小石

 

当たり前は当たり前でなく

ただの記憶となりはてた

生活

明るい日の下では

雲散霧消してしまう類の

憂鬱

 

明日になれば

きっと積み重ねた

沢山の経験で

少しは楽になる

 

毎日の生活は

変わり映えのない繰り返し

季節が少しづつ変わっていくように

気が付けば遠いところに立っているのだろう

 

坂道を転げないように

足を踏み外さないように

退屈さに負けないように

臆病に囚われてしまわないように

願いながら

 

明日はいい一日

今日食べたもの
今日読んだもの
今日歩いたこと
今日人に会ったこと


今日の生活が
明日の自分を作る


明日はいい一日
一年後はいい年で
ありますように

名もない道を行き

何が待っているのかも

定かでない道を行けば

誰に頼るのでもなく

自分だけが頼りの心細さ

 

いつかはたどり着くのだろうか

誰もいなくて

独りよがりにしか過ぎなくて

ずっと続く暗闇を通り過ぎて

その先へ

 

空を見上げれば

いつも変わらない

雲がある

月がある

星がある

 

歩き続ける

これからも

長髪

四十過ぎて薄毛となり、更に歳を重ねますます前頭部に毛がなくなる。

少し残念な気もするが長い歳月のうちに受け入れている。問題は見た目より自分の内にある活力なのだ。だんだん夕暮れ、活力が減退。

そういう身になってきて、髪とは人間の内なる自然なのだなと思う。髪によって生命力を表している。若者が野放図に長髪にしていると、生命力を感じると同時に、ある種の動物感も感じて笑いだしたくなる。悪い意味ではない。人間だって動物だ。

長髪にはしたことがない。手入れが面倒だ。文化的装飾としての髪について、ついつい考えてしまう。

前へ

心は揺さぶられる

 

着実に前に進むためには

心はフラットに

怯えないように

ふらつかないように

淀まないように

焦らぬように

 

どれだけ待てばいい?

どれだけ信じればいい?

 

信じ続けたわけではなかった

願い続けたわけでもなかった

 

信じることで救われると

ただ思いたい

紫陽花

季節は繰り返す

紫陽花の花は雨と共にあり

昨年も一昨年も

多くの思い出など無かったように

ただ咲く

調和のとれた世界

あるべきものがある場所へ。

 

ひどく貪(むさぼ)る人もなく

ひどく貧しい人もなく。

 

限られた人生。

持つ人も

持たない人も

やがて土に還る。

 

人の世の騒ぎも

悲しみも

全てはやがて去り行く。