牢獄

無味乾燥なコンクリートの塊。
空調が効いて快適だとはいえ
牢獄とどう違うのだろう。
逃げることは許されず
無数の見えないロープで
手足を縛り上げている。

世界

月に気持ちを仮託して

海に心を傾けて

山に勇気をもらう

小さな自分はない

大きな自分もない

世界に溶け込んでいる

焦らない

ずっと待っていた

焦らない

慌てない

時が来れば

果実は実る

時が来るのを待つ

その時まで

きっと

いつかはそこへ行く

あなたのところに会いに行く

笑い合う日が来ればいい

いつもありがとう

本当にありがとう

 

午後二時のまどろみ

老いた猫のような

午後のまどろみ

平和そうな猫たちも

縄張り争いで

決死の闘いがあることを

知っている

飼い猫は闘いに敗れ

失血死してしまった

平和そうな午後

少しづつ崩れ

水面下で

どれほどの血が流れ

どれほどの冷酷

無関心に

世間は

覆い尽くされていることか

 

雨上がり

湿気混じりの風

蝉が生命の限りを尽くし鳴く

午後二時のまどろみ

 

さようなら

月曜日なのに疲れ切っている

暑ければ暑い

寒ければ寒い

いつも何かに追い立てられ

小突き回されているような

 

いつか来る終わり

サヨナラも告げずにさようなら

少しづつフェードアウト

まどろみから
半覚醒の状態で
一階に足音を聞く
家族の誰かが
夜更かししたかと
階下に降りてみれば
誰もいない
隣家の音か
耳が良すぎるのか
小人が踊っていたのか
霊が通りすぎたのか
本当のことはわからない

真理

一瞬だけ掴んだと思った

真理というようなもの

 

あっという間に

遠ざかった

 

あれは夢のようなもの

 

幻でもいい

 

それだけが

生きてきた証だと

教えてくれたのだから

 

都会暮らし

都会暮らしに疲れ

日々の息抜きは

通勤帰りの

夜道の歩き

 

辛うじて

空を見上げて

息をついている

 

背伸びばかりは

していられない

 

シンプルに

生きたい

 

要らないものを

欲しがらないように

 

大事なものを

大事にし

見過ごさないように

心を殺さずに生きていけたらいいのに

いつの間にか消えてしまった夢

 

鈍感さに埋もれる関係を嫌い

一人ぼっちになることを

当たり前に思い

そのくせ孤独を持て余している

 

人と係わらぬことにより

独りよがりになることを恐れている

 

都会の喧騒を嫌い

静寂を愛す

ただそれだけなのに

のんびりと寛ぐことができない

 

 

何が何だかわからぬうちに

もはや夕暮れ

何も成し遂げ得ぬことを

恐れている

 

闇に走り出したとて

何になるというのか

できるのは

ただ深い息をすることだけ