2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

傍観者

何だってこんな事に なってしまったんだろう 当事者として 責任を果たす事ができず 知らん振りして心を閉ざす 都合のいい時だけ 愛想笑い そうするだけの事情が あったんだ そりゃそうさ 誰でも事情はあるさ だけど いいとこ取りは 許されない 報いは必ず受…

記憶

哀しみも 悦びも たちまち消えてしまう なのに 大昔の恨みが 残り続ける これが消えてしまったら 我が身が消えてしまうかのように 心の奥底に貼り付いた 記憶は拭い難く そこにある たったこれだけのことを 書くのに何年かかったか

空(くう)あるいは(から)

心は広く 外に向かいたい それとは反対に 信用するな 騙されるな 自分だけが頼りだ 全く真逆の声を聴く 時代が変わって 人は年老いて 迷っているうちに 判断の基準も 変わる 大事にしたかったものを 軽々と脱ぎ捨てて それが無惨なのか 軽妙なのかが わから…

明日へ

劇的に 変わるはずもない日常 淡々と 生活を維持するために 仕事をし 雑事をこなし 家庭生活を 社会生活を 送っていく それでも 何かがいい方向に 変わっていくと信じて 少しだけ 手を伸ばす 限定的なことが 何かにすぐに 繋がるとも 思っていない それでも …

世界

何ものも自分のものとして 取っておくことは できない そうしてしまったら 輝きは失われ 死んでしまう 虚しく 飾られた 偽物の 溢れた世界

踊る

踊れ 踊らされることなく 踊るには 踊る必然性があり あなたには それが十分分かっている 力を凝縮し フリほどき 獣のように 丸まり 飛び跳ね 人間以前の 動物として そこにある 分かる人には 分かる その哀しみを 喜びを 孤独を

光る海

山の上から見下ろす港 時を超えて 今ここに立ち 再びここに来ることも あやふやで それでも光景を 目に焼き付けたくて 佇むも 出発の時間は迫っている 人生は長い旅 いつも命ある限りは 旅の途上

帰宅

半月のそばにくっきりと 星が瞬く 青空低く ワタ雲が流れていく 明るいうちの帰宅も 今のうちだけ 日毎夕暮れが早まる

まだ

諦めやら 疲れやら 老いが ぬぐい難く 肌に染み付いても まだ諦めてはいない 一体求めているものが 青い鳥に過ぎなくても もはや日暮れが近くても

再び始まりの秋

春から一年が始まるとするなら 秋の始まりとともに半分が終わる 収穫の秋はまた 秋を越えて 冬を乗り越えるため 後半の半年の始まり 畑もまた冬野菜の苗を 植える時季を迎える