2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

あの道

この道も あの道も いつか通った 通い慣れた道 月が変わり もう歩かなくなる いつか歳月が巡り 再び訪れる頃には 私はもっと 年老いている その日が 来ることさえ わからない

ある痛み

痛みの元は無くなった 誰にも知られること無く 自分だけが知っている 長い間煩わされていた しばしの開放感はあるのだが 必要あっての痛みの元 ぽっかり空いた穴は 再び埋まることはない この欠落はまた自分だけが 引き受けなければならぬのだ

どこへ

ぬるいままの 鋭くもなく あいまいで 事無かれ主義 誤魔化し続けて いったいどこに たどり着こうというのか 再び立ち上がったものの どこまて闘える? 運命というものがあるのなら 乗り越えるのか あらがうのか 従うのか とにかくも 前を見据えている

春を迎えて色づくはずの巨木 すっかり枝を取り払われて まるで巨大なオブジェ 若葉一枚も見えず

春の嵐

冬の下着は脱ぎ捨てた コートはとうに置き去り 強い風でカゴがどこかに飛んでった 正装をした人が向かい風に 逆らってすれ違う 多分今日は卒業式

今日という日

風が強い。気温が上がる。祝日の今日、外出をせず。ただ疲れを取るだけの日となった。 ラーメン作って食べた。帰省の切符を買った。ライブの配信を見た。静かに過ごした今日。静かさは嫌いじゃない。そしてこの日は確実に存在していた。

螺旋

時間が経てば前に進める すべてが過ぎれば過去だけになり やがては記憶さえ無くなる 進む方向が間違っていたというなら 一体どれだけ前に戻れば 元の曲がり角に戻れるのか 行き着く先は破滅の道だと 知っていたのではないか ただ今は生き延びていることだけ…

モノクロ

騒がしい世の中から色を取りあげ モノクロになりました。 騒がしい世の中から映像を取りあげ 音だけになりました。 騒がしい世の中から音を取りあげ 世界は無音になりました。 私は声を発することができなくなり 世界は透明になりました。 いつの日か世界は …