2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

夜に

静かな夜 思い出は遥か遠く 匂いやら温もりすら 感じさせるのに もはや記憶の中だけのもの

現実

もっと堅牢であると 思っていた現実は どこまで行っても 過渡期とでもいうべきもの 儚く流動し とどまることはない つなぎとめるものなどなく 流れていくまま だからこそ 日々もがいている 痕跡を残すために

波に呑み込まれてはいけない 気づいたということはまだ間に合う 陰鬱な曇り空なのに だからこそ 思いが及んだ

沈黙

沈黙は ただ黙っているだけではなかった 待っていた ただ待っているだけのようでいて わずかにごくわずかに 動いてもいた 私は年老いた その時は来たのだろうか

霧が流れる 生き物のように 雨が降る 生き物のように 光が雲の間から差す 生き物のように 生き物の私はただそれを 黙って見ていた

赤子

無垢な赤子は 手を伸ばし 笑いかけていた その目は 世界を 捉えようとしていた

タイムライン

ただ流れるだけのタイムライン 川の流れに似て 決して留めることはできない

あくび

大きなあくびをすると 涙が出るのはなぜだろう 気持ちよくてあくび連発

腐臭

いつの頃からか嗅覚を失った。正確には機能が衰えた。もはやよっぽどの強烈な匂いしか感じない。たくさんの生ゴミの腐敗臭。食事の時はまず匂いを感じない。(ここまで書いて通った総武線東中野駅のホームは匂いを感じた、なんの匂い?)老化現象なのか、メ…

水は流れる 下流へと 下流へと

ススキ

風が吹き ススキはただ揺れている まだ枯れてはいない