十七歳
十七歳が輝かしいなんて言わせないと思っていた。
恰好なんてつけていられなかった。
住まいに風呂はなく、夏でも部活の汗でどろどろになった体。
見栄えより食欲。
毎日風呂には入れない。
毎日作る弁当。
夏の暑い日、おかずが糸を引いて腐ってた。
黙ってどけて、残りを食べた。
毎日たくさん出る数学の宿題。
いつもやらずに怒られた。
要領よくやっていたみんなはどうしていたんだろう。
月曜はサボりたくなるハードな部活。
たまにはさぼった。
でもそこでだけが輝く場所だったから続けた。
一年続けたら苦労が実った。
自分の力を信じることができた。
クラスで声をかけてくる女の子たちもいた。
でも挨拶以上に進まず。
そりゃそうだ、ハードボイルド気取りで、言葉がないもの。
ああ十七歳は、はるか昔。
不格好で、ひたむきで、何かを信じてた。
遠い昔の日々。