2016-12-10 過去 詩 体育館の外の渡り廊下から虚しく見上げた青空。なぜここにいるのか。何をしているのか。 プールに聞こえる歓声。ちっとも楽しくなんてなかった。笑顔は失われ暗い眼をしていた。明るい未来を信じていたのか。逃げ出すことばかり上手になって悲しいまでに遠くになった。やり直したいわけじゃない。ただ残酷なまでに清算できない過去がつらいだけ。
2016-12-09 記念植樹 詩 六歳の時植えた杉の木は 今日も生家を見下ろして立っているだろう。 晴れた日は光を浴びて 雨の日は雫に濡れて 月夜に照らされて 星空に枝を伸ばして。 風雪に耐え生き延びた。 ぼくも何とか生きているよ。 なんだか切ない。
2016-12-08 記憶 詩 一日がかりで 昨年別れた人たちの 名を思い出した。 もはや会うことはないし 連絡も取らないが 名さえ忘れてしまうのは 悲しい。 顔もエピソードも 覚えているのに 名前だけ消えてしまう。 苗字は思い出したが フルネームはやはり出てこない。 明日も記憶を探るのか。 まだ消えたままの名前もある。
2016-12-08 半月 詩 月夜で明るく 星が良く見えない。 少しづつ寒さに慣れ 風邪をひく気がしない 今日この頃。 健康なのは何よりありがたい。 今朝は霜が降りていた。 初氷はもうすぐか。 毎日新聞2016年1月13日 10時31分 毎日新聞2016年1月13日 10時31分 毎日新聞2016年1月13日 10時31分(最終更新 1月13日 12時37分) 毎日新聞2016年1月13日 10時31分(最終更新 1月13日 12時37分) 毎日新聞2016年1月13日 10時31分(最終更新 1月13日 12時37分)
2016-12-06 北風 詩 メモをしないから 忘れてしまったけど 毎日ひとつづつくらいの 詩は頭に浮かぶ。 大したことない毎日の 大したことのない事柄。 毎日積み重ねて日は過ぎていく。 今夜は北風が冷たく オリオン座を見ながら 帰ってきた。
2016-12-04 負け戦 詩 希望も絶望も頭の中。 しかし胸を張って 戦い続けてきたかというと 心もとない。 心は虚しく ある時は逃げ ある時はジグザグに進み ある時は地に這って耐えるのみだった。 生きているだけで 儲けもの。 勝ち続けることはできないが 負け続けることもない。 死に向かっていく人生を 思えば 全ての戦いは負け戦。 希望の歌を歌いながら ゆっくりと進んでいく。
2016-12-03 詩 詩 多くの詩が産まれた。 浮いた言葉は浮かばず 地を這いずり廻る言葉にこだわるばかり。 夢や希望を歌いたい。 誤解を怖れず歌いたい。 恥を忘れず歌いたい。 あなたのそばで歌いたい。 いつか花は咲くのだと。
2016-12-02 許し 詩 自分を許さなければ いつまでたっても 針のむしろを歩いているようなものだろう。 いま生きていることを大事にしたい。 いまを大事にできなければ こうありたいと願う未来はない。
2016-12-02 無意識 詩 駅前の田が潰れて スーパーができた。 交差点そばにあった畑が潰れて 飲食店ができた。 駅そばにあった畑が潰れて マンションができた。 近所にあった畑が潰れて 駐車場ができた。 経済原理のままに。 都市化が進み 多くの田畑は失われ 土の上は アスファルト、コンクリートで覆われた。 止めることはできない。 自然から離れるほど 進歩したと言えるのか。 どんどん 心は失われ 生命力が衰えていく。 それすらも意識しないままに。
2016-11-28 夢を見たい 詩 温度を上げていくと液体が ある時気体に変わる。 さなぎを脱皮して蝶に変わる。 長い冬を経て 蕾が開き花が咲く。 いつか花が咲く夢を見たい。 ずっと地に伏せているようでも いつの日か花は咲くだろう。