2020-09-12 歳月 詩 三年、あるいは五年 さかのぼってみても この場所に来る必然性と 他に何とかならなかったのか という後悔がある さらに十年、二十年 さらにさかのぼってみても 道はどこかで暗闇にまぎれてしまい ただ踏み外さずに転げ落ち無かったことの幸運と 希望を無為に潰してしまったことの後悔がある
2020-09-06 夏が終わる 詩 台風の訪れとともに 熱気を帯びた夏が終わる オリンピックの無い二千二十年 オリンピックが有ろうと無かろうと 毎年のように災害・水難・熱中症 それに加えて新型コロナウィルス・政治の無作為、 あるいは暴走まで心配しないといけないとは 一年後の君は 梅雨明け遅く猛暑続きのこの夏を 覚えているだろうか? それともあっさり忘れてしまうだろうか?
2020-08-16 いま、そしてそれから 詩 あなたの苦しみが見えても わたしに背負えるはずもなく 他人事以上に共感しても嘘くさく ただ目をそらさず見ている 無関心の罪を避け いつでも手を伸ばせるように
2020-07-23 あこがれ 詩 もはや誰かのようになりたいだとか あこがれの人に近づきたいとか思わない 自分は自分であるというあきらめ あるいはジェラシーに振り回されたくないという自己防御反応 それこそが若さが失われた証拠だろうか そうであっても 勇気を失わず 継続する意思を持ち続け 運命を受け止めて前に進む人になりたい
2020-07-12 夏の始まり 詩 いつだって 春の始まりは待ち望まれて くっきりと姿を見せるのに 夏って奴は始まりがいつなんだか 梅雨が終わればもう 夏は真っ盛り いつの間にか始まって うんざりするほどに 日が地を焼き尽くし 夏の雑草が衰え 冷たい雨が地を冷やせば秋 で、夏の始まりはいつ? ナスが採れた日か あるいはトウモロコシの