名もない道を行き

何が待っているのかも

定かでない道を行けば

誰に頼るのでもなく

自分だけが頼りの心細さ

 

いつかはたどり着くのだろうか

誰もいなくて

独りよがりにしか過ぎなくて

ずっと続く暗闇を通り過ぎて

その先へ

 

空を見上げれば

いつも変わらない

雲がある

月がある

星がある

 

歩き続ける

これからも

長髪

四十過ぎて薄毛となり、更に歳を重ねますます前頭部に毛がなくなる。

少し残念な気もするが長い歳月のうちに受け入れている。問題は見た目より自分の内にある活力なのだ。だんだん夕暮れ、活力が減退。

そういう身になってきて、髪とは人間の内なる自然なのだなと思う。髪によって生命力を表している。若者が野放図に長髪にしていると、生命力を感じると同時に、ある種の動物感も感じて笑いだしたくなる。悪い意味ではない。人間だって動物だ。

長髪にはしたことがない。手入れが面倒だ。文化的装飾としての髪について、ついつい考えてしまう。

前へ

心は揺さぶられる

 

着実に前に進むためには

心はフラットに

怯えないように

ふらつかないように

淀まないように

焦らぬように

 

どれだけ待てばいい?

どれだけ信じればいい?

 

信じ続けたわけではなかった

願い続けたわけでもなかった

 

信じることで救われると

ただ思いたい

調和のとれた世界

あるべきものがある場所へ。

 

ひどく貪(むさぼ)る人もなく

ひどく貧しい人もなく。

 

限られた人生。

持つ人も

持たない人も

やがて土に還る。

 

人の世の騒ぎも

悲しみも

全てはやがて去り行く。

幸福

浮ついた言葉が多い世の中で

君の言葉を受け取った

 

その言葉は決して力強くはないけれど

確実に届いた

心が震えた

 

言葉を受け取るには

雑音に惑わされないよい耳が必要だ

 

あなたと同じ時代に生まれた

幸運を思う

 

そして同じ場所に立つことができた

幸福を思う

 

 

 

 

 

生きていく

当たり前なんてないんだよ。

みんな平気な風に生きているように見えるけど

それぞれ大変で

それぞれ精一杯に生きている。

 

ああ、明日からも生きていかなきゃ。

平凡で

格好つかなくて

ギリギリでも

また明日も。

もっと

今更ながら言いたいことあるのか

もうどうでもいいのか

わからないまま

瞬間に妄想し

すぐに忘れ去る

 

言いたいことなど

ありふれたこと

 

生きている

生きてきた

もっと遠くへ

もっとまっすぐに

もっとしなやかに

もっと

もっと

ある時は遥かに大きなもの

ある時は取るに足らぬもの

ある時は存在を忘れ

ある時はまた巨大に膨れ上がる

 

いつもそこにあるだけで

もう長らく形は変えていない

自分の心が変わっただけ

 

今日もただそこにある

風が吹き日が当たり雨が降る

何者かに見つめられている気になる

渇き

喉の渇きは癒せない。
いつのまにか乾いてしまったこの体。
そのことに気づかないまま
時は過ぎる。

何が欲望なのか
何が不足なのか
何が過剰なのか

鈍い頭のまま
濁った眼をして
外に顔を向ける。