2019-03-31 ある痛み 詩 痛みの元は無くなった 誰にも知られること無く 自分だけが知っている 長い間煩わされていた しばしの開放感はあるのだが 必要あっての痛みの元 ぽっかり空いた穴は 再び埋まることはない この欠落はまた自分だけが 引き受けなければならぬのだ
2019-03-31 どこへ 詩 ぬるいままの 鋭くもなく あいまいで 事無かれ主義 誤魔化し続けて いったいどこに たどり着こうというのか 再び立ち上がったものの どこまて闘える? 運命というものがあるのなら 乗り越えるのか あらがうのか 従うのか とにかくも 前を見据えている
2019-03-21 今日という日 詩 風が強い。気温が上がる。祝日の今日、外出をせず。ただ疲れを取るだけの日となった。 ラーメン作って食べた。帰省の切符を買った。ライブの配信を見た。静かに過ごした今日。静かさは嫌いじゃない。そしてこの日は確実に存在していた。
2019-03-09 螺旋 詩 時間が経てば前に進める すべてが過ぎれば過去だけになり やがては記憶さえ無くなる 進む方向が間違っていたというなら 一体どれだけ前に戻れば 元の曲がり角に戻れるのか 行き着く先は破滅の道だと 知っていたのではないか ただ今は生き延びていることだけが 信じられるような それだって本当は 大きな傲慢かもしれないのに
2019-03-03 モノクロ 詩 騒がしい世の中から色を取りあげ モノクロになりました。 騒がしい世の中から映像を取りあげ 音だけになりました。 騒がしい世の中から音を取りあげ 世界は無音になりました。 私は声を発することができなくなり 世界は透明になりました。 いつの日か世界は 色を 音を そしてわたしは声を 取り戻すことが できるでしょうか?
2019-02-23 ラジオ エッセイ パソコンでラジオを聴いていた。 外国の歌手の曲が流れた。日本人の姓にもある名前。 かつての職場で隣の女性がこの姓だった。 私はここで働き出したものの職場のあまりの扱いに憤りすぐ退職。 どうひどかったかは今は書かない。 その決断は誤っていたとは思わない。 経歴書からも抹殺した。 彼女から言われた助言はまだ覚えている。 十年以上前のこと。 ただあの頃と比べるとずっと気が長くなった。
2019-02-17 オリオン座 詩 仕事帰り 暗闇の中から 夜空を見上げると 月の近くに オリオン座 この星座を知ったのは 数年前 知らなくても不便ではないが なぜ知らなかったのかが 不思議に思えるほど 見分けが付きやすい 砂時計のようだから