流れる

変化を乗り越え

激務をこなし

やっとたどり着いた平安な日々

こんな平穏が続けばいいと思った矢先

その安逸を罰するように押し出される

運命を切り開いていくというのなら

判断が間違っていたとは言いたくない

またいつものことだが

流れに翻弄されどこに行くのか

どこまで行っても自分

ただ自覚的に生きたい

 

教室で提出した詩を先生に講評していただきました。
手書きで書きなぐったようなそれ。勢いで書いて、推敲もその場で条件反射的にしかできていない。例えば会話だと推敲したくても、流れがあるから立ち止まって深くは言葉を練ることができない。自分にとってはそれに似ていて深く考え込むと口ごもってしまい、いつまで経っても言葉は出てこなくなる。いきおい衝動的に出てくる言葉を捉えて、表に出す。そこには自分なりのフィルターがかかっている。いかに効果的に言葉を発するか、それ以前に自己の、世界の根源を掴み取りたい。推敲することと詩の勢いといったものを両立させることが課題だ。
それにしても言葉は難しい。広がりを持たせたいが空虚になりたくない。希望を歌いたいが騙されるなと冷水を浴びせたい。多くの矛盾に悩みながら生きていることが詩そのもの。人は詩の塊を胸に抱えて生きているのです。

過去

あまりにも過去から遠ざかり
これが本当に望んでいた未来だったのか
歳をとるのは罪ではなく
自然と無くしてしまうものは
仕方がないさと諦める
それでもなお大事にしなかった故に
手からこぼれ落ちたものを惜しむのだ

愛せよ

ここにある現実を見たくなくて
甘美な過去を見ている
あるいは理想の未来を見ている
アルコール無くても酔える
酔って辛さを忘れようとする
だが現実を愛せなくて
いったい何を生きるというのだろう
今この時を愛せよ

二つの記録

駅前のラーメン屋
跡形もなくなり
アスファルトに覆われる
やがて道路になるそうだ

父の軽自動車は
廃車にしたそう
もはや歳で運転できない
病院の通院は迎えの車が
来るそうだ
タクシーなら
街まで往復5000円

弁解

多くを語るほど遠ざかる

語りは騙り

元より何も語らないほうが良かったか

自己主張は自己正当化

人のためとか言いながら

偽善の顔を被っている

人を傷つけながら

それに気づかない鈍感さ

お互い近づきたいのに

近づけないハリネズミの寓話

あなたはそれでもどこまでも優しかった

わたしは勝手に喜んで

勝手に泣いて

頭を抱えている