空(くう)あるいは(から)

心は広く

外に向かいたい

それとは反対に

信用するな

騙されるな

自分だけが頼りだ

全く真逆の声を聴く

 

時代が変わって

人は年老いて

迷っているうちに

判断の基準も

変わる

 

大事にしたかったものを

軽々と脱ぎ捨てて

それが無惨なのか

軽妙なのかが

わからない

 

全ては

生成し

流転し

消滅すると

言っても

こだわりがなければ

空虚じゃないか

 

 

明日へ

劇的に

変わるはずもない日常

淡々と

生活を維持するために

仕事をし

雑事をこなし

家庭生活を

社会生活を

送っていく

それでも

何かがいい方向に

変わっていくと信じて

少しだけ

手を伸ばす

限定的なことが

何かにすぐに

繋がるとも

思っていない

それでも

少しはどこかに

向かっている

ことだけは確かだ

 

踊る

踊れ
踊らされることなく
踊るには
踊る必然性があり
あなたには
それが十分分かっている
力を凝縮し
フリほどき
獣のように
丸まり
飛び跳ね
人間以前の
動物として
そこにある
分かる人には
分かる
その哀しみを
喜びを
孤独を

光る海

山の上から見下ろす港
時を超えて
今ここに立ち
再びここに来ることも
あやふやで
それでも光景を
目に焼き付けたくて
佇むも
出発の時間は迫っている
人生は長い旅
いつも命ある限りは
旅の途上