2016-01-01から1年間の記事一覧

詩の効用

言葉にならない言葉が 詩という形で言葉になる。 形になることでモヤモヤが少し晴れる。 相性のよい詩なら世界が広がる。 自分の心の貧しさを知る。 危うさを知る。 限界を知る。 だからこそ希望を見る。

途方に暮れて

服を着替えるように過去を脱ぎ捨てる。 予定調和の嫌らしさ。 そうやってこだわり続けたことは こだわる価値があったのだろうか。 もはや意地を張りつづける元気も気力もない。 うっかりしているうちに時代は大きく変わっていた。もう君はずっと先に行ってし…

自分で鳴ることはない。 誰かが鳴らすのを待っている。 心の中に持っている大きな鐘は いつか鳴るのだろうか。 今日も静かに納まっているまま。

ある晴れた日に

ぽっかりと晴れた日。 強い風が吹くけれど冷たくない。 今が秋だったか春だったか季節を忘れてしまいそうだ。 気分の良いのどかな日は一年のうち何日あるのか。 数えてみたら案外少ないのかもしれない。 もうすぐ来る冬。 気温は一進一退で気まぐれ。 真冬に…

ロックオン

電車の中できれいな脚に見とれていた。 自覚的なのだろうか。 脚の揃え方、足の角度が決まっている。 いつも脚など気にならないのに 不思議に視覚を奪われた。 心が囚われ不躾な視線を浴びせてしまう。

生々流転

あなたが重ねてきた歳月。 わたしもまた積み重ねた。 多くのことは徒労に思えた。 どこか遠い場所の遠い世界。 どこまで行っても空振りで 掴んだと思ったらすり抜ける。 長い年月のうちに現実とは 一瞬の様相でしかないことを知る。

穴を掘る

文字通り穴を掘った。 腰までの深さ。 掘った土を外に盛ると 土は胸の高さまで。 スコップで掘ると体力を使う。 いつもは使わない筋肉を使う。 少し掘っては休み掘っては休みを繰り返す。 地面の下は土なんだねとか思いながら。 ある日の農作業。

長い冬の始まり

電気マットを敷いた。 長い冬の始まり。 まだ秋だけど心に冬のスイッチが入った。 冬に負けないように 野菜たっぷりの鍋を食べたり カイロを腰に貼ったり。 長い冬に負けないように りんごを毎日食べたり。 年明けて三月いっぱいまで 冬をやり過ごすのに精一…

初老の男

こっち側あっち側と綱引きをする。 遠く感じられたあっち側が気がつけば親しいものになっていた。 足取り重くよろける。 顔に貼りついた疲れは取れない。 何歳まで生きるつもりだ。 自分で思っているほど若くないぞ。 いやそんなことは十分わかっている。 若…

少しづつ

散髪をした。 献血をしようとしてまだしていない。 帰りがけ図書館で詩集を借りた。 まだ通りの並木は色づいていない。 変わりばえの無い日常も少しづつ変わる。 成りたい自分に変われるのか。 日々の積み重ね。 いきなりは無理でも少しづつ変わるだろう。 …

ある日の消費活動

book offに行った。 いっぱい本はあったが買いたいものはなかった。 無理に買っても結局読まないのでそれなら買わない方がよい。 同じビルにダイソーがある。 欲しいものを探そうと思ったが急いで必要ではないので止めた。 同じ駅の近くのビルの図書館に行っ…

秋の雨

降りしきる雨。 体を縮こまらせる冬が来る前に 夏の容赦ない太陽を浴びた この体を休ませよう。実りの秋に思い知らされる。 蒔かなかった種は何も産み出さない。 やがて来る冬に積み重ねる思い。今はつかの間の休息。

夏から秋へ

十月なのに夏日が続き秋らしくない 曼珠沙華や金木犀が咲き 銀杏が銀杏並木から落ちてくる 確実に季節は移り変わっている 未だに居残り続ける夏 今年ほど夏が好ましく思ったことはなかった 夏には夏のありがたさがあるのを知るとは 人生をいったい何年やって…

ある日の日常

昨夜寝床で音楽を聴いて夜更かし。 今朝めざめてすぐ、足がふらつく。 体調管理が大事。 今夜風呂に入ろうとパンツを脱ぐ。 湯船に湯が入っていない。 面倒なので湯を貯めながら入る。 幸い日中三十度を超える天気だったので湯が沸くのが速い。 家に風呂があ…

あなたに

少しも言葉を大事にしてこなかったのに あわてて今でもまだ間に合うかと 言葉にすがりつく 言葉は裏切る 裏切られる 言葉は騙す 騙される 言葉は浅く また深い 納得できる言葉が見つかるまで 軽々しく言葉を発したくなかった 取り繕うための言葉を発したくな…

ことば

言葉にしないと伝わらない そこまでしなくてもよくて そこまでしたくなくて そこまでしなくても伝わらなきゃどうしようもなくて 言葉だけで伝わるものなんて頼りなくて 言葉だけじゃ伝わらなくて 言葉だけで誤魔化したくなくて 言葉を呑みこんで 木偶の坊み…

秋の長雨

夜通し降る雨は子守唄 そして激しい雨は不安にさせる 川が溢れる 電車が止まる 傘を差しても全身が濡れる 深々と降る雨は夏の身体の火照りを醒ます 小雨なら傘も差さずに歩く 止まない雨に湿気を含み空気が重い 降り続く雨に秋をそして冬を思う 天気は天気次…

とりとめもなく

多くの物に囲まれて 多くの人の中に群れて 明日はこの仕事が続くのだろうかという不安に 時として襲われ 要るもの要らないものの判断が怖く先延ばし 明晰な頭がほしい できないことはできない できることしかできない 時間との闘いには結局勝つことはできな…

夏と冬

季節は巡る。 夏と冬で考えていることが全然違う。 季節が思考に与える影響は多大だ。 開放的で気楽な夏と堅実で謙虚な冬。 どれが本当の自分かと思うけどどれも自分で ただ季節がどれに光を当てているかの違いだろう。 そして確固な自分などあろうはずなく …

時代

格好いいと思っていることが反転して超ダサくなる。 超先端が陳腐な技術。 勝ち馬が負け犬へ。 時代を通り過ぎてみれば当時の熱狂がわからなくなる。 今を疑え。 常識を疑え。 時代ととも価値観は移ろう。 流行を追いかけて生きている意味を掴まえようとする…

言葉に想う

言葉だけで考えているのかとふと思う。 疲れ切って頭の中が空っぽで何も言葉が出てこない。 言語化が難しいことをなんとか形にしようとする。 考えていないなんてありえないはずで ただ条件反射で生きていけるはずもない。 感情、因果応報、生存、未来、資本…

少しづつ秋

日曜日、草刈りをしたばかりの土手に曼珠沙華が咲いていた。 いくつかの台風と秋の長雨。 いつのまにかセミの鳴き声が聞こえなくなった。 そして外を出歩く人の半袖姿が減ってきた。 夕暮れが日ごとに早くなる。 夜風が少し涼しくなり、しんみりと秋の虫の鳴…

疲れ

始発電車に行列を並んで争って着席をするほど疲れていない。 でも電車で三十分あまり立ち続けるのもしゃくで 結局争うように着席。 このいつまでたっても拭えない疲れは心の疲れか 体の疲れか。 わからないまま何年も過ぎ 痛みのために だるさのために 薬を…

無力感

長く続けたことが得意になるどころかカオス状態になるばかり。 状況はますます混沌とし見通しは立たない。 環境のせいにしたところでもはや逃げ場なんてありもしない。 進むのがいいのか諦めるのがいいのかそれすら分かりはしない。 無限の宇宙無限の時間の…

生きる

無理は続かない。 石を抱いてどうして泳げようか? 重荷を背負ってどうして羽ばたけようか? 宇宙には道理あり 究極にはすべてにつじつまは合う。 いつか振り返る時 愚かな誤りを繰り返さないよう かといって 失敗を恐れて挑戦しないことがないよう しなやか…

希望

投げやりにならず どうせ通じないとあきらめず 確かなものなど無いと空虚感に支配されず いつまでも生きているつもりで先延ばしにせず 笑いたい時には笑い泣きたい時には泣き 人が泣いている時は寄り添い 自身の心と体を丁寧に扱い やり残したことが無いよう…

言葉

どこかで聞いたような言葉を書き連ねる。 だれかの思考をなぞっている。 当たり前すぎる挨拶を交わしている。 誰もそれ以上のことを望んでいない。 時間がたちすべてのことは風化する。 生きていたこと 悲しんだこと 苦しんだこと 笑ったこと 思い出だけが残…

残暑

空には雄大な入道雲。 ちょっと得した気分。 残暑が厳しく いつまでも夏が 居座り続けているような気がするが 季節は確かに移ろいゆく。 これから一週間ごとに 季節が秋に変わっていくことを 実感するのだろう。 それにしても暑い。

一日の終わり

目が霞む。 老化現象なのか? 過労なのか? 一日が終わる頃には まともに見えやしない。 目薬はもう何年も使っていない。 瞼がひどくかぶれたことがあったから。目の疲れも頭の疲れも体の疲れも 取れやしない。 騙し騙し生きていくんだ。 行き着く先まで。

先延ばし

心が縛られどこにも行けない。 会社には行き畑には行き買い物には行く。 ライブにも行くようになった。 引きこもりでは無いだろう。 でもブレーキがかかり自在とは言いがたい。 この心のこわばりは何なんだろう。 言い訳つけて先延ばしするほどに 人生の持ち…