言葉 コトバ ことば

他を拒絶するための言葉がある
ただ己を慰めるためだけの言葉がある
沈黙を保つための言葉がある
あなたからわたしへ
わたしからあなたへ
伝わらない言葉に意味はない
広がらない言葉に意味はない

夕暮れ

秋の夕暮れ

もはや日は暮れ

どんよりとした空に

泣きそうになる

来る冬の心構えは

できたかと問われ

心細さは増す

立ち向かうために

やせ我慢せずに

できることは何かと

おのれに問いかけてみる

何を求め何を身につけ

何を食し何を手放すのか

そして

氷の冷たさを溶かすほどの

熱量を思った

 

 

岩場に舞う紫の蝶に

ダンスを踊る少女の面影を見た

感傷に浸る間もなく

若い私は足元を見ていた

そのことがどれだけ心に

影を落としたかはわからない

何度も何度も

蝶のことを思い出したのは確かだ

 

時とともに

退屈を退屈のまま

放置してはいけない

緊張を緊張のまま

放置してはいけない

虚無を虚無のまま

放置してはいけない

淀みはいつか

より傾きを求めて流れていく

均衡点を求めて

緊張は解消していく

投げやりを回収しつつ

時間を進めていく

 

ダンス

君の姿を捉えたくて

目を凝らして

ダンスを見るのだけれど

どうしても見定められない

くるくる廻り

左右に動き

のけ反り

開脚し

指先にも

つま先にも

目を届けたいのだけれど

息をつく間もなく

ダンスは終わる

 

夏野菜

ナス、トマト、ピーマン、キュウリ。今年は夏野菜が高かった。トマトはもともと家族が好まないのでまず購入しない。ナスはみな好物だが、高値のため買う機会が減った。ピーマンは中身が空洞のため損な気がして、買うならナスとばかり殆ど買わなかった。もう十一月だから、夏野菜は徐々に高くなる。冬の間は、まず夏野菜を買うことはない。( 高い、栄養価が低い、体を冷やす効能があるため体に良くない。)だからせいぜい今のうちにナスを食べたい。異常気象( 水不足、夏の高温、冬の低温、台風)による野菜の高騰はたびたび起こる。そのたびに買い控え、安い野菜での代替でしのいでいる。もやしは工場で作るらしく価格が安定しているので助かる、きのこ類も安定している。

ナス、トマト、ピーマン、キュウリ。家庭菜園をしていた時は山のように食べていたのだが。