2020-01-01から1年間の記事一覧

思い出

この頃昔のことばかり思い出すんだ もはや死んだ人 生きてて年老いた人 確かなものだと 思っていたものはもろく 思い出は遠ざかるばかり

未来

明るい未来を信じるうちに 心は虚しく空っぽな心が痛い 知らぬ間に坂道を転がり落ちている 何を信じて何をあきらめて 何を求め続けているんだろう

人生

ある時は 薄氷を踏み ある時は 出口のないトンネルを 歩き続けている いつか来る終わり 痛みも悲しみも喜びも怒りも 人生とともにある

五月

鳥たちはけたたましく鳴き 子供たちは路上で解放感の歓声を上げる 寒さから解き放たれた体は こわばりが緩み さっきからあくびが止まない 連日のように 吹きすさぶ風が騒がしい これこそいつもの五月 花に新緑に溢れている

この場所

もう日が暮れる テレビではまだ行ったことのない風景が映ってる 人生は一度きり オレはもうこの場所でいいのだと 思い定める 日が暮れても明日には また別の一日が始まることが わかっていても

バラと棘

美しく咲く花に 近づき過ぎることはできない ちらりと見える棘を忘れた日には 大きな傷を負うことに なってしまうのさ それでも人はフラフラと 美しさに目を奪われ 愚かにも手を伸ばしてしまうのだろう

どこへ

こんなもんじゃないだろう まだまだやれる 自分を励ますまでもなく 上り坂を登っていた時代 時は過ぎ 仰ぎ見た風景は どこかに消え トボトボと 歩いている オレたち どこへ行こうというのか

競い合うように 次々と花が咲く まだ冬の構えを 解くのにためらううちに 季節は性急に移り変わる どんな気持ちで この時代を乗り切ったか 覚えていたい

におい

あなたはどこかわたしとおなじにおいがする うまれもそだちもせいべつもちがうのに

出会いと別れの季節

何時だって会えると思ってたし もう二度と会わないだろうと思ってた。 何時だって行けるだろうし もう再び行くことはないだろうと思ってた。 限りある人生の中で 心を封じ込めて どうにも成らなさに 心は引き裂かれていた。 もうどうしたって戻れない 場所に…

静寂

静寂を愛す 空白を愛す 何もないことの豊かさを愛す たとえ虚弱を笑われようとも もっと言葉を尽くしたいが それさえも過剰

青い果実

熟さぬまま 枯れてしまうのだろうか 暑い季節に 足踏みをしたまま 伸びやかに 育たなかった 青い果実は

トマト

分かってくれぬなら それでいいと 口をつぐみ 挙げ句の果てが このざまだ 青いままの トマトみたいに 食えない奴

金星

仕事帰り 西の空にひときわ 輝いて見える星 それが金星 宵の明星 ここは冬枯れした 大地だけれど 金星は 人が住めない 荒涼とした大地 なのになぜ 懐かしく 手を伸ばしたくなるのか

内と外

外に何かを求める度 自分の荷は軽くなり それだけでなく 自分自身も無くなって ふわふわと飛んで行きそうだ それでいいのだ という自分と 輪郭を守りたい 自分が居る

匂い

季節ごとの匂いや 人の匂いや 建物の持つ匂い 強烈に嗅ぎ分けていたのに そんなもの無かったように 雲散霧消 本当に無くなったのは 匂いなのか 感じ取る能力なのか あるものを 無かった事にする 能力のせいなのか 無味乾燥な 人工社会のせいなのか 死んだよ…

流れ

いつだって言葉が足りない 言い尽くそうとすれば 空虚さを露呈し だんまりを決め込んでいれば 何も伝わらず 冷たい悪意さえ 与えてしまう 足りないくらいが ちょうどよく 流れに勝手に身を任せる

冬の底に見える春の兆し 暖冬でも冬は冬 厳しさを乗り越えて その先に待つ 光り輝く 春を夢見ている

無題

タイトルはまだない 先に人生があった

カレンダー

カレンダーの多くの余白 余白だらけでも 仕事に家事に やることはある 録りためた番組も見なきゃ 借りた本も読まなきゃ あの子の配信も見なきゃ 今はまだ 空白のままでいい 埋まらないままの カレンダー 今はまだ

人生

心は乾いている 潤いを求めている なのに どうにもならないことと あきらめて あるいは 先延ばしして 考えないようにしている あきらめてしまったら おしまいだと ヒリヒリした 危機感を持った日々を 思い起こしている 立ち止まって 迷って考えて 励まして …

許す

ねえ許すと言って 望みはたったそれだけのこと

明日

おやすみ もう夜は更けた 喜びも 悲しみも 今日までのこと 明日また会おう君に 明日こそ