不眠

眠れない夜がある

気がかりなことが

繰り返し繰り返し脳裏に浮かぶ

泥舟が沈んでいく

坂道を転がり落ちていく

危ういバランスが崩れていく

老いの加速が重苦しい

不安ばかりが頭をもたげる

決して時計は見ない

どうなるものでもないから

ついには新聞配達の音を聴く

こういう日もあるさ

やっと一眠りだけできて

アラーム音を聴く朝