2018-01-01から1年間の記事一覧

波に呑み込まれてはいけない 気づいたということはまだ間に合う 陰鬱な曇り空なのに だからこそ 思いが及んだ

沈黙

沈黙は ただ黙っているだけではなかった 待っていた ただ待っているだけのようでいて わずかにごくわずかに 動いてもいた 私は年老いた その時は来たのだろうか

霧が流れる 生き物のように 雨が降る 生き物のように 光が雲の間から差す 生き物のように 生き物の私はただそれを 黙って見ていた

赤子

無垢な赤子は 手を伸ばし 笑いかけていた その目は 世界を 捉えようとしていた

タイムライン

ただ流れるだけのタイムライン 川の流れに似て 決して留めることはできない

あくび

大きなあくびをすると 涙が出るのはなぜだろう 気持ちよくてあくび連発

腐臭

いつの頃からか嗅覚を失った。正確には機能が衰えた。もはやよっぽどの強烈な匂いしか感じない。たくさんの生ゴミの腐敗臭。食事の時はまず匂いを感じない。(ここまで書いて通った総武線東中野駅のホームは匂いを感じた、なんの匂い?)老化現象なのか、メ…

水は流れる 下流へと 下流へと

ススキ

風が吹き ススキはただ揺れている まだ枯れてはいない

孤独

それは貴重なもの 孤独を恐れてはいけない ( なかなかひとりにはなれないからね) 思考を深めるには 世界に自分だけが頼り ( 借り物の思考にいつの間にか侵されている) たが孤独に溺れてはいけない 頑なな心は世界を閉ざす ( 自分対世界じゃあ叶わない)

残暑

いつまで暑いのだと悲鳴を上げながらもちょうどいい気候など 数えるほどで暑いがすぎれば 今度は寒いに文句をつける 夏の暑さもそれほど 悪いものではなかったと 体の奥に刻みつける 年輪のように

夏から秋へ

どんよりとした空 秋雨は夏草を殺す 夏野菜を殺す雨が上がった頃には 季節はすっかり 入れ替わっている

酔わない 酔えない

酔ってしまうともう一人の自分が見ている 酔えない 熱狂の中にいても醒めて立っている( つもり) アルコールに頼って酔いたくなるほど ストレスがない、幸いに そして惰性の ネットサーフィン、ネットショッピング なにかずれている

帰京

飛行機は故郷を遠ざかり 東京へ帰って行く。 東に向かう飛行機に 後ろから西日が当たる。草に埋もれない 樹木もまばらな アスファルトジャングル。食べ過ぎに注意して 昼食はラーメン一杯、 腹減った。

十六

十六歳の少年が 四十年経ってここにいる 何者でもなかった もはやそれでいい

子育て

子育ては 子にも助けられ もうすぐ終わり

日々

誰かのことを確かめて 自分の命を確かめる 空虚な心を埋めるように

街灯

ポツンと 街灯が 灯りを灯している

降り止んだ朝に 色違いの 花が咲く

事を為すには

事を為すには 勢いが必要 継続が必要 諦めないことが必要平穏のためには 無理は不要 諦めも必要成るものは成り 成らぬものは成らず

繰り返し

失敗というなら どこまでさかのぼればいいのか残念ながら どこまでさかのぼっても 愚かさから逃れられず あれもこれも 自分は自分でしかなかったただ可能性を信じ 未来を望むも 足がすくみ 迷い続ける年老いて 流れた時間は 無情にも 淡々と おまえはおまえ…

朝顔

朝顔は 雨降る朝に 静かに咲いた

足音

雨戸越し 夜半に降り出す雨は 秘かな足音に似ている

こんな夜は

死んでしまった人に、もうそれ以上裏切られることもなく感情を乱されることもなく、ただただ懐かしい。短い期間でも濃密な時間を過ごした。そもそも短いとか長いとか物差しは何なのか。続くと思った関係性が、一方的に断ち切られ、短いと思う。実質的な長さ…

曼珠沙華咲き ススキの穂も開く あれだけ強烈だった 日射しが弱弱しく あれだけカラカラだった 空もしょっちゅう雨がぱらつく 収穫の秋だというのに 果樹園も畑も持たない我は 何も収穫するものはない でもなお言うまでもなく 天の恵みは雨と日照 多くの果実…

永遠というものに 手を差し伸べて それはどうにも ならないことを 知った今は 流されていくまま 刹那を積み上げて 残されたものは 全て幻影 時と共に 形は崩れ 無関係となり 去りゆくものになる

まるで空には 絵に描いたような雲が 浮かんでいるんだけど 現実って何だろうと 思わざるを得ない 夢でもないのに 夢を見ている気分だ 酔ってもないのに 酔っている気分だ

長いトンネル

長いトンネルは いつかは通り過ぎるのだろう 自分が自分のことを 信じられなくなって でも長いトンネルは いつかは通り過ぎる日が 来ることだけは 確信を持ってて それだけを頼りに 歩いている

これ以上

詰め込みすぎて もうこれ以上食べれません これ以上見れません これ以上歩けません もうこれ以上 これ以上

王様は裸だ

梅雨明けて 豪雨 酷暑 台風 異常気象のオンパレード 余りに多くの不穏な気候人間界も 従来の常識を疑うような 事件が相次ぐ 冷笑的態度は 終わりにして 旗幟を鮮明にしたい 与えられるだけでは 済まされない 歴史のまっただ中に 立たされている 黙っているだ…